PTCはアパレルなどの製造小売販売業向けのPLMソリューション新製品を発表した。以前から展開するアパレル業界向けのPLMをベースに、アパレル、シューズ、小売流通業向けに対応するベストプラクティスと新たな機能を加えたバージョンを用意することで、短期間でのビジネスへの貢献を実現するという。
PLMの大手ベンダーである米PTCは2013年6月11日(現地時間)、アパレル業界などの製造小売業(SPA)向けのPLMソリューション「PTC Retail PLM Solution」を発表した。同社が以前から展開するアパレルやシューズ業界向けのPLM「PTC Windchill FlexPLM」をベースとし、アパレルやシューズ、小売業のニーズに応えるベストプラクティスと新機能を組み合わせたソリューションを展開する(関連記事:製造業を揺さぶる7つの力とは?――「今こそ変革が必要」と訴えるPTC社長ヘプルマン氏)。
PTC Retail PLM Solutionは、「PTC Value-Ready Deployment」として、小売流通業、シューズ、アパレルの3つの業界におけるベストプラクティスや新たな機能をパッケージ化し、PTC Windchill FlexPLMと組み合わせて提供するものだ。小売業に必要な機能や設定などが最適な形で組み込まれているために、標準のPLMを導入するよりも短期間での導入が可能で、早期のビジネス貢献が可能のなるという。
アパレル、シューズ業界などを中心に小売業ではSPA業態が成長。また他分野でもプライベートブランド商品の取り扱いなどで設計・製造分野への関与を強めてきている。
一方で店頭在庫を管理するSKU(Stock Keeping Unit、最小在庫管理単位)など独自の概念があり、標準のPLMを導入する場合にはカスタマイズを行う必要があるため、導入までに時間がかかるケースがあった。
PTC SCMセグメントでシニアゼネラルマネジャーを務めるハワード・へプルマン(Howard Heppelmann)氏は「新ソリューションをテンプレートとするのは私の好みではない。約10年アパレルおよびリテール向けのビジネスを行ってきたノウハウを生かし、ベストプラクティスを提供するだけでなく新たに小売業向けに必要な機能を加え最適な設定も行っているところに新製品の利点がある」と強調する。
実際に、設計・製造への関与を進める小売業では、在庫管理などの小売業としての役割に加え、グローバル化や法規制の中でのサプライヤー管理やサプライチェーンとの連携機能など、通常の製造業としての管理ノウハウが必要になっており、複雑性が増している。
へプルマン氏は「39分野のベストプラクティスを用意し、多くの小売業をカバーすることができる。現状では服飾やシューズなどが中心だが、電化製品など消費者向け商品を扱う小売分野でソリューションを広げていきたい」と話している。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.