米PTCは、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)とソフトウェア開発用アプリケーションを提供するAtegoを、5000万ドルで買収すると発表した。PTCはこの買収で、製品ライフサイクル管理(PLM)と、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)分野のソリューションを強化する方針だ。
米PTCは2014年6月16日(現地時間)、英国に本社を置くモデルベースシステムズエンジニアリングとソフトウェア開発用アプリケーションを提供するAtegoを、5000万ドルで買収すると発表した。PTCはこの買収により、同社の製品ライフサイクル管理(PLM)分野と、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)分野のソリューションを強化する方針だ。なお、この買収に関する手続きは2014年7月1日(現地時間)に完了している。
PTCによれば、近年IoT(モノのインターネット化)が進み、スマート・コネクテッド・プロダクツの開発が盛んになるにつれ、高度なメカ、エレキ、ソフトウェアの要素で構成されるシステムを同期開発する必要性が高まっているという。今回のAtegoの買収は、こうした近年の市場の動きを見据えたものだ。
Ategoの提供しているモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)は、要件開発、アーキテクチャモデリング、モノとしての製品の定義、システム検証などを連携させるものだ。開発プロセスを標準化することで、複数の組織が協調しながらシステムのデジタルモデルを構築できる。また、システムのバリエーション管理やデータの流用も可能となっている。PTCはこうしたAtegoの持つ同期開発に対して有効なソリューションを、自社のPLM、ALM分野のソリューション機能の拡張に用いることで、スマート・コネクテッド・プロダクツの同期開発と市場投入の加速を支援するという。
PTC エンタープライズセグメント 上級副社長のブライアン・シェパード氏は今回の買収に関して「今日の企業間競争には製品の複雑化という特徴があり、製造企業はスマート・コネクティッド・プロダクツの設計において、包括的なアプローチを取らなければならない。PTCの事業の中心となる市場では、顧客企業の複数部門が連携して作業を進め、メカ、エレキ、ソフトウェアの依存関係をモデリングすることに対する重要性が高まっている。Atego買収により、既存のALM、PLMソリューションの機能が拡張でき、複数のシステムズエンジニアリング領域の統合という顧客ニーズに、直接対応することが可能になる」とコメントしている。
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