オープンソースPLMソフトウェアを展開するPLMベンダー米Arasは、電子部品データベースを展開するIHSと提携し、コンポーネントエンジニアリング機能を強化する。
米Arasは2000年創業のPLMベンダー。PLMソフトウェアそのものは無償で、サポート費用やメンテナンス費用、カスタマイズを行うSIヤーへのライセンス費用などで利益を得るという「エンタープライズ・オープンソース・ビジネスモデル」というビジネスモデルが特徴となっている。
既にグローバルでは約450社が導入しており、日本企業でも日立製作所の電力システム社や日立金属など、50社が使用しているという。
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今回新たにIHSとのパートナーシップにより、Arasが提供するオープンソースPLM「Aras Innovator」にIHSのクラウドベースの電子部品データベース「CAPS Universe Electronic Component Data」が直接統合することが可能となり、コンポーネントエンジニアリングに活用できるようになった。
この新しいコンポーネントエンジニアリング機能によって、迅速に最適な部品の検索、コンポーネントの詳細の比較、その部品が利用可能かどうかの確認、環境規制の順守、耐用年数に対するパーツの陳腐化に関する情報など、さまざまな情報をPLMの環境内で確認可能になるという。
「自動製品変更通知、不良品やディスコン部品のアラート、耐用年数の予測や他の事前通知によって、リスクを低減しコンポーネントのライフサイクル計画の改善に役立てることができる」と今回の提携の効果について、Arasの創業者でCEOであるペーター・シュレーヤ(Peter Schroer)氏はコメントしている。
同社では、今後数年でPLMとしての機能を広げていく方針を示しており、MBOMやALMなどについても対応するとしている。
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