PTCは、Citrix、IBM、NVIDIAと協業により、同社のCADツール「Creo」の仮想化対応を発表した。仮想化対応により、グローバルでの展開スピードが上がる他、IPの保護やモバイル端末からの操作が可能になるという。
米PTCは2013年6月10日(現地時間)、米Citrix、米IBM、米NVIDIAと協業し、同社のCADツール「PTC Creo 2.0」(以下、Creo)を仮想デスクトップ環境で利用可能にしたと発表した。Citrixの仮想デスクトップ技術とIBMのサーバ、NVIDIAのグラフィック技術を組み合わせることで実現。6月末から利用開始だという(関連記事:製造業を揺さぶる7つの力とは?――「今こそ変革が必要」と訴えるPTC社長ヘプルマン氏)。
今回仮想デスクトップに対応するのは、Creoの主要アプリケーションである「Parametric」「Direct」「Layout」「Options Modeler」「Simulate」の5つ。既にCitrix Ready(Citrixの認証)を受けており、PTC Creo 2.0 M060バージョンから利用可能だという。NVIDIAのGPUが用意されたIBMのサーバ上にCreoをインストールし、Citrixの仮想デスクトップ技術を通じて、外部環境で利用できる。
PTCでCADセグメント上級副社長を務めるマイク・キャンベル(Mike Campbell)氏は仮想化のメリットとして5つの点を訴える。
「ソフトウェアのパフォーマンス向上、知的財産権(IP)の保護、社内展開が容易なこと、IT部門の負担軽減、エンドユーザー端末で利用できること、の5点が仮想化のメリットだ。重いCADデータをネットワーク経由で非常に軽く扱うことができ、グローバル設計環境を構築するにおいて、海外の同僚と協調した設計なども容易に行うことができる」(キャンベル氏)。
仮想デスクトップ対応により、WindowsやMac OS Xはもちろん、iOS、Android Windows Mobileなどの主要モバイルプラットフォームでも利用することが可能だ。ライセンス契約としては、利用サーバごとの「フローティングライセンス」とグローバル一括契約である「グローバルライセンス」の2種類が用意されるという。
また今回の協業は4社による補完関係で実現したものだが、排他契約となっているわけではなく「今後ユーザーのニーズがあれば、新たなパートナーシップも検討していく」(キャンベル氏)としている。
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