富士通のFoodCOREは、従来、月次でなければ計算できなかった管理損益を日次で表示できることが特徴。原料、材料から製品に至るモノの流れと同時に発生費用を一元管理でき、月末にしか確定できない各種経費などを概算で計上する考え方を取り入れることで、日々の損益を把握して支払管理と連動できる。
富士通と富士通マーケティングは2012年12月11日、食品業向けの生産管理、販売管理ソリューション「GLOVIA smart 食品 FoodCORE」(以下、FoodCORE)*1)の販売を開始した。今後はクラウドサービス上での提供も予定している。
*1) 富士通システムズ・イーストが開発した。
対象業界は、牛乳や生菓子などの日配食品や青果・鮮魚などの生鮮食品、各種の加工食品を扱う中堅食品卸売業や食品製造業。これらの食品業の経営基盤強化を目的とする。
FoodCOREは、従来食品卸売・製造業向けの販売管理ソリューション「GLOVIA smart 食品製造・卸」と、食品業向け業務ソリューション「FoodStudio」の2つに分けて提供していたものを統合した形である。従来ソリューションでは利用に当たってカスタマイズが必要だった多くの部分を標準化することで、短期間、低価格での導入を可能にしたという。
FoodCOREが対象とする業務は、大きく分けると2つあり、生産管理と販売管理だ(図1)。生産管理と販売管理にかかわるシステムを統合し、発注仕入管理、物流管理、経費支払管理、管理損益などを一元化したことが特徴だ。
FoodCOREのもう1つの特徴が、従来は月次でなければ計算できなかった管理損益を日次で表示できることだ。FoodCOREは原料、材料から製品に至るモノの流れと同時に発生費用を一元管理できる。具体的には製造から販売までの一連の業務を統合マスタによって管理するため、製品や業務の進捗状況、伝票のステータスを即座に確認できる。
そこで、仕入運賃や保管料などの原料諸掛を費目別に試算し、月末にしか確定できない各種経費などを概算で計上する考え方を取り入れることで、日々の損益を把握して支払管理と連動できる。
部門別や得意先別、単品別などの帳票を標準で12種類用意しており、製品やメニュー単位で日次決算を実施できるため、収益性の高い製品やメニューやトレンドを把握しやすいという。
FoodCOREには食品業向けの機能を多数持たせている。トレーサビリティ機能や賞味期限、消費期限、製造日管理、不定貫管理*2)、荷姿管理などだ。
取引先別の管理機能も備えている。例えば、得意先との取引形態や売上計上基準に合わせた運用、先入先出や賞味期限指定、鮮度管理、出荷日・納品日、出荷倉庫に応じた伝票分割機能や分割出荷機能を標準で実装している。製品レシピを仕掛品や原材料、包装材料で、多段階かつ品目の特性に合わせた所要量計算パターンで構成できる。
*2) 同じ商品でも1つ1つの形状や重量が異なることをいう。例えば、食肉類では同じ部位を用いた同じ商品でも1つ1つ異なる。
食品卸売業には「販売管理」を、食品製造業には「生産管理」や「生産管理と販売管理」の組み合わせた形の導入が向くという。
販売管理の価格は450万円から、生産管理の価格は400万円から。この他、導入にはハードウェアが必要。
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