生JTファイルを読み込める3Dビュワーが登場PLMニュース

JTファイルを直接読み込める3次元図面ビュワーが登場。設計部門と製造部門の情報連携強化を狙う。

» 2012年06月19日 18時31分 公開
[原田美穂,@IT MONOist]

 電通国際情報サービスは2012年6月19日、JTフォーマット完全準拠の3Dビュワー「R-3D」の提供を開始した。

 JTファイルフォーマットは、シーメンスPLMソフトウェアが標準化を進めている3次元CADファイルフォーマット。現在「ISO/PAS 14306:2011」としてISOの一般仕様書に承認されており、ファイル構造、データセグメント、データ圧縮や暗号化などは全てドキュメントが公開されている。通常、3次元CADソフトウェア独自のファイル形式は、他の3次元CADソフトウェアでは読み込めないため、情報連携に際しては中間ファイルフォーマットへの変換が必要となる。JTはこの中間ファイルフォーマットの1つだ。

 CADソフトウェアのライセンスを持たない部門との早期の情報連携を考えた場合、図面ビュワーが3次元CADデータを読み出す際の情報精度が重要となる。データ受け渡しのためのフォーマット変換の方法によっては、組み付け情報や寸法情報を高い精度で読み出せないこともある。そして、情報連携が不十分である場合、現場の判断やその結果のフィードバックが機能せず、手戻りの要因となる可能性がある。

 R-3Dは、JTフォーマット完全準拠のビュワーであることから、JTファイルそのものから正確な情報を得られる点が特長。このため、変換に伴うデータの欠落が発生せず、正確な情報を基にしたレビューを行える。また、計測や断面表示、製品加工情報、干渉チェックなどの他、BOMの構成変更情報や設計変更情報の抽出機能も標準で提供される。

 電通国際情報サービスでは、R-3Dのオプションとして組み立て・加工工程部品表を作成できる「組立・加工工程部品表作成機能」も用意している。組み立て手順や略図、特記事項、検査項目を付加でき、作業指示書の帳票出力にも対応する。

寸法の計測結果の表示例 寸法の計測結果の表示例
干渉チェックの結果例 干渉チェックの結果例
設計変更点の抽出例 設計変更点の抽出例

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