記念式典には、岩渕氏、斎藤氏に加え、福島県副知事の鈴木正晃氏や、伊達市市長の仁志田昇司氏が登壇し、富士通アイソテックが生産するデスクトップPCの累計出荷台数2000万台達成を祝った。また、2000万台を記念して製造された富士通のデスクトップPC「ESPRIMO」のゴールドカラーも披露された。
記念式典で斎藤氏は「PCの約90%以上が中国製であるという市場環境で、メイド・イン・ジャパンを維持し続けるのは大変なこと。中国の人件費は日本の10分の1といわれている。その中で富士通アイソテックは毎年10%のコンスタントなコスト削減に取り組んだ。その結果が、累計出荷台数2000万台という数字につながったと考えている」と語った。
同氏は続けて「富士通アイソテックだけでなく、福島市や伊達市の皆さんに加え、インフラや物流など多くのパートナー企業、そしてメイド・イン・ジャパンのデスクトップPCとして多くのユーザーに販売を行ってくれた販社の皆さんの協力にも感謝したい。また、富士通アイソテックは2000万台では終わらない。今後も、日本でしかできないことの付加価値を大切にして、22世紀に至るまでメイドインジャパンを続け、3000万台、4000万台を目指していきたい」と謝辞とともにさらなる意気込みを語った。
また岩渕氏は、富士通アイソテックの沿革を振り返り、「1994年12月よりデスクトップPCの生産をスタートしてきた。その後、さまざまな方の協力のおかげで、富士通アイソテックが生産した製品に“伊達モデル”という名前をつけてご愛顧いただけるまでになった。しかし、その道のりは決して順調ではなかったし、日々生じる現場の問題をクリアしていくという毎日だった。こうした努力の積み重ねで累計2000万台を達成できたと考えている。これに満足することなく3000万台、4000万台も達成したい」と語った。
「国内市場の縮小」「生産による差別化要素の減少」「国内コストの高止まり」などから、日本の生産拠点は厳しい環境に置かれている。しかし、日本のモノづくり力はいまだに世界で高く評価されている。一方、生産技術のさらなる進歩は、モノづくりのコストの考え方を変えつつある。安い人権費を求めて流転し続けるのか、それとも国内で世界最高のモノづくりを追求するのか。今メイドインジャパンの逆襲が始まる。「メイドインジャパンの逆襲」コーナーでは、ニッポンのモノづくりの最新情報をお伝えしています。併せてご覧ください。
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