パナソニックは、冷蔵庫事業の説明を行うとともに、マザー工場である草津工場の冷蔵庫のモノづくりに関する取り組みについて紹介した。
家電三種の神器として1950年代から家庭に普及し今では世帯普及率がほぼ100%(統計調査によって99%前後を推移)となり、成熟化が進む冷蔵庫市場。その中で「高品位、高品質」なモノづくりを強みに差別化を進めようとしているのがパナソニックだ。
パナソニックは2024年5月28日、冷蔵庫事業の説明を行うとともに、マザー工場である草津工場の冷蔵庫のモノづくりに関する取り組みについて紹介した。本稿では、パナソニックの冷蔵庫におけるモノづくりの強みについて紹介する。
パナソニックは1953年に家庭用冷蔵庫の生産を開始し、70年以上の歴史を持つ。現在は日本、中国、ベトナムの3拠点で開発拠点を構え、グローバル8つの製造拠点から製品を出荷し、34カ国で販売を行っている。
パナソニックの冷蔵庫は、本質機能である収納庫、保存庫としての役割に加え、調理庫として役割を強化。さらに、感性価値の訴求やサステナビリティ機能の強化を進めている。
商品開発面では、コンプレッサーの位置を冷蔵庫の底面から天面裏に上げたトップユニット方式を採用し、低い位置で奥行を広くできることで全ての収納スペースを使いやすく大容量にしている。また、高耐荷重ベアリングレールにより引き出し収納を100%全開にできる独自の機構である「ワンダフルオープン」を採用。さらに、外観部へのビスを無くし、美しい仕上げにこだわったデザインにより、高品位を訴求している。
パナソニック くらしアプライアンス社 常務 キッチン空間事業部 事業部長の太田晃雄氏は「冷蔵庫は成熟市場だが、パナソニックは2030年に金額規模で1.5倍に成長することを目指している。国内では現在もシェア1位を確保できているが、今後はダントツ1位を目指し、さらなるシェア拡大を進めたい。IoT(モノのインターネット)家電やリファービッシュ品など新しい業態やチャンネルでの販売を加えていくことで全体を伸ばしていく。海外はインドやインドネシアなど市場が成長するところでシェアを伸ばしていく。工場なども現地に用意し地産地消を進めていきたい」と述べている。
成熟市場におけるシェア拡大で重要になるのが、工場の生産性向上だ。グローバルマザー工場である草津工場でも生産効率を1.2倍に向上する計画を示している。「2年以内に生産効率で世界最高の工場にしたい」と太田氏は語っている。
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