ユニバーサルロボット(Universal Robots)は、2025年7月から国内で出荷を開始した最大17.5kg可搬の協働ロボット「UR15」をはじめとする新製品や新機能について説明した。
ユニバーサルロボット(Universal Robots)は2025年7月3日、東京都内で記者会見を開き、同月から国内でも出荷を開始した最大17.5kg可搬の協働ロボット「UR15」をはじめとする新製品や新機能について説明した。
UR15は、ユニバーサルロボットの「UR20」「UR30」に続く、ハイパフォーマンスモデルとして位置付けられる第5世代「URシリーズ」の新モデルとなる。通常の可搬重量は15kgだが、パレタイジングのように手首を下向きに使用するアプリケーションでは、最大17.5kgまで対応できる。
リーチは1300mmで、関節角速度はベースとショルダージョイントが毎秒±180度で、同じリーチ長さの従来機「UR12e」と比べて50%向上している。エルボージョイントは毎秒±240度で同33%向上、リストジョイントは毎秒±300度で同66%向上している。トルクも従来機比で30%強化された。最大TCP(ツールセンターポイント)速度は毎秒5mだ。本体重量は40.7kgと軽量になっている。これらの性能によって、ワークの位置決めや加速/減速動作が高速化し、サイクルタイムを短縮する。
防水/防塵(じん)規格である「IP65」や、クリーンルームの規格「ISO14644-1」のクラス4に準拠している。そのため、粉じんが舞うような金属/機械加工の現場や、クリーンルーム対応が必要な半導体/エレクトロクスの工場でも使用できる。
ユニバーサルロボット 日本支社 代表の山根剛氏は「リーチが1300mmのモデルがニーズが高い。われわれが販売する協働ロボットの3台に1台はリーチが1300mmだ。12eも同じ1300mmのリーチだが、速度や可搬重量の面でニーズに沿えない。一方、UR20では、リーチが長すぎてスペースの問題が生じる。そのギャップを埋めるモデルがUR15となる。われわれの製品同士で市場を食い合うのではなく、『もう少し重いものを持たせたい』や『もっと早く動かないと使えない』といったこれまで対応できなかったニーズに応えることで、市場が広げられると見ている。産業用ロボットのニーズにも食い込むことができる」と期待する。
UR15に搭載された新機能が、「OptiMoveテクノロジー」だ。
安全機能の設定や荷重/重心設定を基に、最も効率的な動作パラメーターを自動で算出する。ユーザーは1〜100%の間で設定するだけで、詳細なプログラムを作る必要がない。「安全機能の設定値を逸脱しない条件の下で、ワークの重さや重心の位置を踏まえて、一番最適な速度と加速度の条件を1〜100%で任意に導き出すことができる。これまでは加速度などをユーザーが任意に設定しても、ロボットの安全機能が働いて動きを抑え込みにかかり、実際にどんなパラメーターで動いているのか分からないケースがあった」(山根氏)
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