ただ、OptiMoveで設定した値の中でも、人と同じ空間で協働するためには、適切なリスクアセスメントは必須だ。
OptiMoveの特徴の1つが、ロボットの整定時間を短縮できることだ。整定時間とは、ロボットが目標位置に到達した後、動作が安定し振動などが収まるまでの時間を指す。整定時間が短ければ、より高速で安定した位置決めが可能になり、次の動作にも早く移ることができる。また、OptiMoveによって加減速が最適化されることで、ロボット内部のギアの故障も減少するという。
OpitMoveは、同社のソフトウェア「PolyScope」のバージョン10.7、「PolyScope X」のバージョン5.21以降で使用可能だ。
オンラインのシミュレーションツール「UR Studio」も発表した。
UR StudioはPCのWebブラウザ上で動作する。アプリケーションのインストールは必要ない。UR StudioのWebサイトにアクセスし、ログインするだけで無償で利用できる。
ユニバーサルロボットの全てのモデルと、パレットや工作機械、ワーク、エンドエフェクタを組み合わせて仮想空間上に配置でき、レイアウトやサイクルタイムが検証できる。ユーザーが既に持つ、もしくは導入を予定している機械の3D CADデータを取り込むことも可能だ。
工作機械へのワークの投入/取り出し(マシンテンディング)、ねじ締め、パレタイジング、ピック&プレースといった代表的なアプリケーションは標準テンプレートが用意さされている。PolysCope Xと連携しており、UR Studioで作成したプログラムは協働ロボットにインポートして動作させることもできる。
山根氏は「ユーザーは視覚的にロボットの動作経路やI/Oのロジック、サイクルタイムなどを検証したい。われわれも、『(導入に向けて)社内を説得するためにシミュレーションを作ってほしい』といわれることがある。UR Studioならどこでもアクセスでき、直感的に作業できる。協働ロボット導入時の不安や懸念を解消するツールとして活用いただきたい」と語る。
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