ユニバーサルロボットは「第9回 ロボデックス」において、AI(人工知能)を使ったロボットアプリケーションの開発を促進するAI Acceleratorなどを披露した。
ユニバーサルロボットは「Factory Innovation Week 2025」(2025年1月22~24日、東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第9回 ロボデックス」において、AI(人工知能)を使ったロボットアプリケーションの開発を促進するAI Acceleratorなどを披露した。
ユニバーサルロボットのAI Acceleratorは、AIをロボットシステムに実装するためのツールキットだ。同社はNVIDIAと協業しており、AIを用いたロボットシステム開発に必要なソフトウェアとハードウェアをパッケージ化した。コンピュータビジョンによる高度な意思決定から、トレーニングモデルから得られるモーションプランニングの強化まで、次世代のロボットシステム開発を可能にする。
「AIを活用したアプリケーションの開発は、単にGPUが搭載されたコンピュータがあればいいのではなく、ロボット特有のパラメータを入力するなど準備に労力が要る。そこで準備の工数を減らし、実際の開発に注力していただくため、必要なコンピュータ、カメラなどの付属品などをセットにしてわれわれから提供することにした」(ユニバーサルロボット シニアマーケティングマネジャー 吉岡孝朗氏)
AI Acceleratorのハードウェアとしては、NVIDIAの「Jetson Orin AGX 65GB」が組み込まれたコンピュータや、Orbbecの3Dステレオカメラ「Gemini 335Lg」がセットになっている他、ユニバーサルロボットの協働ロボットやコントローラーも含んだパッケージも用意している。
パッケージ内のコントローラーに導入されている、ユニバーサルロボットが次世代の協働ロボットソフトウェアとして開発した「PolyScope X」はROS2に標準対応しており、プログラム中にNVIDIAのIsaacのライブラリやモデルに直接アクセスして実行することも可能だ。
「PolyScope X上でROS2を使ったAIの機能のやりとりができるようになった。コマンドごとにAIの機能をROS2で通信したり、ロボット側で完結できる作業を行ったり、混在できるようになっている」(吉岡氏)
SICKの安全システム「End-of-Arm-Safeguard」を使ったデモを披露した。同製品は、ロボットの先端に付ける非接触のセンサーで、ロボット先端のツールやワークと人との衝突を防止する。現場の作業者はロボットのすぐ近くで安全に協働作業を行うことができる。ユニバーサルロボットの協働ロボットに取り付けてすぐに使用できる周辺機器群「UR+」にも認定されている。
フランスのスタートアップであるInboltの3Dビジョンシステムを使った、動くワークの追従デモも行った。同社は独自のAIアルゴリズムで高速画像処理を実現しており、80msecごとに対象物の位置、姿勢を推定してロボットの目標座標を生成。ワークを止めることなく組付けやピック&プレースが可能になる。
ユニバーサルロボットの協働ロボットと同様に、ISO 13849-1のパフォーマンスレベル(PL)d、カテゴリー3に準拠した安全機能を搭載した米国Thomsonの走行軸「Movotrak CTU」とのコラボレーションも紹介した。
ロードセルセンサーが前後に取り付けられており、衝突を検知すると安全に停止する。最大10mまで製作可能で、ユニバーサルロボットで現在、最大の可搬重量35kgの「UR30」も搭載できる。同製品もUR+に認定されている。
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