ぶつかる前に“ピタッ”と停止 NACHIが新型協働ロボットを2026年拡充2025国際ロボット展

NACHI(不二越)は「2025国際ロボット展(iREX2025)」において、人とぶつかる前に停止できる協働ロボット「MZSシリーズ」の新たなモデルとして、可搬重量12kg、18kg、30kgのモデルを参考出展した。

» 2025年12月05日 06時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 NACHI(不二越)は「2025国際ロボット展(iREX2025)」(東京ビッグサイト、2025年12月3〜6日)において、人にぶつかる前に停止できる協働ロボット「MZSシリーズ」によるデモンストレーションを披露。また、新たなモデルとして、可搬重量12kg、18kg、30kgのモデルを参考出展した。いずれも2026年内の市場投入を見込んでいる。

会場で披露した可搬重量5kgの「MZS05」のデモンストレーション[クリックで再生]

 適切なリスクアセスメントを行うことで、安全柵なく柔軟に導入できるのが協働ロボットの利点だが、安全性に配慮するために作業スピードには課題があった。また、外部センサーを用いない場合、万が一の際に人との衝突を検知してから停止するという点も、導入の障壁となっていた。

 それらの課題に対応するため、MZSシリーズでは複数のセンサーでロボット周辺を常時監視している。ロボットのベース部分に最大半径5mのレーザースキャナーを2つ備えており、エリア内に人やものが入るとロボットの動作速度を落とし、さらに人がロボットに近づくとアーム部に内蔵された独自開発の接近センサーが感知して、ぶつかる前にロボットを停止させることができる。接近センサーは、400〜500mmで検知可能という。

左から可搬重量18kg、同30kgのモデル 左から可搬重量18kg、同30kgのモデル[クリックで拡大]
ベース部にある2つのレーザースキャナー ベース部にある2つのレーザースキャナー[クリックで拡大]

 非協働モードでは最大2500mm/秒、人やものが近づいた際の協働モードでは最大1000mm/秒で動作する(いずれもMZS05の場合)。停止後は人が離れると自動で作業を再開し、協働モードのエリア内から出れば非協働モードに復帰するため、作業効率を維持できる。

 現状の仕様としては、可搬重量12kgのモデルがリーチ1214mm、同18kgのモデルがリーチ1107mm、同30kgのモデルがリーチ1921mmとなっている。開発中のため変更される可能性もある。現在のMZSシリーズのラインアップはMZS05(リーチ927mm)のみだった。

会場でデモを行う可搬重量12kgのモデル 会場でデモを行う可搬重量12kgのモデル(中央)[クリックで拡大]

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