ロックウェル オートメーション ジャパンは、パートナー企業らを招き東京都内で事業戦略説明会を開催。自律型工場の実現に向けたステップや必要な技術要素などを紹介した。
ロックウェル オートメーション ジャパン(以下、ロックウェル)は2026年3月3日、パートナー企業らを招き東京都内で事業戦略説明会を開催。自律型工場の実現に向けたステップなどを紹介した。
製造業は今、幅広い課題に直面している。人手不足が進む一方、熟練技能者の引退が相次いでいる。世界情勢は混沌としており、サプライチェーンは不安定化。市場ニーズの変化も速まっている。そうした課題への解決策の一つとして、従来人が担っていた作業や判断を、データやAI(人工知能)の活用によって代替し、全体を最適化する「自律型工場」が求められている。
ロックウェルでは自律型工場に向けた5つのステップを提唱している。フェーズ1は低い自動化率にとどまるアナログ工場、フェーズ2は部門内の最適化が進んだデジタル工場、フェーズ3はITとOT(制御技術)が統合されたつながる工場、フェーズ4は障害などの予知が可能な予知型工場、そしてフェーズ5は変化に対して自律的に修正を加える自律型工場となる。
ロックウェル オートメーション ジャパン 代表取締役社長の矢田智巳氏は「多くの企業はフェーズ1〜3にいるのではないか。フェーズ4やフェーズ5はまだ先の話かと思われるかもしれないが、技術的にめどがついていないわけではない」と語る。
自律型工場の実現に必要な要素として挙げるのが、ライン設計や操業/保守を担うAIエージェント、生産デジタルツイン、製造実行系システム(MES)、SDA(ソフトウェアデファインドオートメーション)、データOps、標準制御設計、そして統合制御アーキテクチャなどの制御基盤技術という7つの要素だ。特に課題となっているのが、制御基盤技術とAIエージェントの間にある要素だ。
標準制御設計では制御プログラムなどをライブラリ化することでライン設計を容易にし、さらに仮想空間上で検証や修正ができるようにする。同じ工程が複数あってもそれぞれで制御のやり方が異なると、それらの工程から集めたデータをAIに学習させても、正確なアウトプットは得られない。標準化によってAI活用に向けたデータの整備も進む。
SDAでは、従来は専用のハードウェアに搭載されていたPLC(プログラマブルロジックコントローラー)のエンジンをコンテナ化することで汎用サーバに実装。さらにロボット制御や画像処理、ソフトセンサーなどをコンテナ化すれば、より複雑な連携も可能になるという。加えて複数拠点での垂直立ち上げ、より詳細なデータの収集、遠隔保全などのメリットもあるという。
データOpsは、生産データを体系的に管理、活用する基盤となるものだ。工場内の単位や定義、時間軸などが異なるデータを、コネクターを介して利用可能な形にし、意味付けして活用できるようにする。「MESには、何の製品を、どんな部材を使い、どういう順番で作るのかなどの工程情報が全て入っている。これらのマスターデータや、背景情報がないとAIが機能しない。本格的なAI活用時代に向けて最も大事なシステムはMESだと考えている」(矢田氏)。
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