ジェイテクトは、2026年3月期の決算概要と第二期中期経営計画の取り組みなどについて発表した。会見では、日本精工(NSK)とNTNの経営統合について言及する場面もあった。
ジェイテクトは2026年5月20日、東京都内で記者会見を開き、2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の決算概要と第二期中期経営計画の取り組み、第三期中計への仕掛けなどについて発表した。
2026年3月期の売上高は為替の効果に加え、日本、北米を中心に販売が回復したことで、前期比2.2%増の1兆9249億円となった。売上高から売上原価と販売費、一般管理費を控除したジェイテクト独自の指標である事業利益は同16.5%増の756億円だったが、営業利益は同35.4%減の248億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同12.7%減の119億円だった。欧米の構造改革に伴う一時費用などにより営業利益、当期利益が減益となった。
事業地別では、北米でタスクフォースチーム(TFT)活動を中心とした原価改善活動が効果をあげて大幅に増益したが、市場環境の厳しい欧州、中国は減収減益となった。事業別でも北米のTFT活動を中心とした原価改善活動などにより、各事業で堅調に利益を確保した。
2027年3月期の業績予想は、売上高が前期比2.3%減の1兆8800億円、事業利益が同18.9%増の900億円、営業利益が同201.8%増の750億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同317.6%増の500億円を計画する。将来に向けた投資を着実に実行しながらも、TFT活動の継続や生産性改善による原価改善に加え、欧米の構造改革の効果などで過去最高益を見込む。所在地別では、北米でのさらなる黒字拡大、欧州では自動車事業譲渡により減収増益を目指す。
2026年度は、2024年度からスタートした第二期中期経営計画の最終年度に当たるが、外部環境の変化として想定外の逆風が3点にわたって起きたとした。
1点目が、中国での売り上げ減少だ。中華系自動車メーカーの躍進を受けて、ジェイテクトの売り上げも減少。固定費の削減などにより7%台の利益率を維持しているが、「最適体制の検討を含めた中国戦略を立案中であり、発表できる時期になればお知らせしたい」(ジェイテクト 取締役社長 CEOの近藤禎人氏)。
2点目が、産機市場の競争激化。価格競争に加え、主要顧客の売り上げが落ち、影響を大きく受けている。中計では、不採算拠点の売却、撤退などを進めており、ポートフォリオの変革と事業構造の転換を進め、収益向上を図る。3点目は、米国の関税政策や中東情勢悪化などの地政学リスクだ。
これらの環境変化もあり、第二期中計の目標に対して売上高は下振れしたが、ROE(自己資本利益率)や事業利益率は目標達成も視野に入っている。欧州ではポンプ事業やNRB(ニードルローラーベアリング)事業、さらに欧州顧客向け自動車事業の譲渡が決定している。2027年度も、引き続き構造改革を実施する。
ジェイテクト 取締役の山中浩一氏は「2028年3月期のブレークイーブンという形での欧州黒字化の確度は高いと思っている。構造改革を完遂すれば、欧州事業はトヨタ向けのステアリングのみで継続することになる。それだけでいいのかという議論もあるが、事業譲渡したことで3年間は欧州市場で競合になれない契約になっている。ステアバイワイヤ(SbW)を進化させ、その上で3年後に参入できる実力が付けば再参入も検討していきたい」と話す。
北米ではTFT活動により生産性改善、価格適正化を進めており、さらなる黒字拡大に向けて総仕上げを実施する。また、資産効率の向上を重視し、適正規模へのダウンサイジングを進める。「これまでは拡大路線で収益を積み重ねてきた。これからは“必要十分な体格”へと適切に整えていく。中計で掲げた施策を実行したことで体質は着実に筋肉質になっている」(近藤氏)。
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