ダイフクは、2030年度までの長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」で目指す売上高1兆円に向けた成長投資について説明した。
ダイフクは2026年5月28日、東京都内で記者会見を開き、2030年度までの長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」で目指す売上高1兆円に向けた成長投資について説明した。M&Aや生産体制強化など、2026〜2029年に約520億円を投資し、競争力を強化する。
通常の設備維持更新投資や研究開発費として予定していた3年間で800億円の投資枠に、さらに戦略投資枠として800億円を加え、2024〜2027年度の4年間で1600億円の投資を計画している。次世代を見据えた研究開発と生産設備への積極投資に充てる。
マザー工場である滋賀事業所(滋賀県日野町)では、既に2024年から生産能力の増強、工場物流の最適化などを目的とした再開発を実施している。2025年7月に一般製造業、流通向けシステム事業、2026年4月に半導体生産ライン向けシステム事業の新棟を稼働させた。これらには約220億円を投じた。その他、イントラロジスティクス事業のグローバル生産基盤拡充に向けて、インドに新工場を建設して生産能力を4倍に、米国でも既存工場を改装して生産能力を2倍に引き上げている。
今後、さらに約300億円を投じ、滋賀事業所に新たに2つの棟を建設する。1つはイントラロジスティクス事業向けで、生産キャパシティーの向上および物流最適化のための物流倉庫として利用する。もう1つは、クリーンルーム事業とオートモーティブ事業向けで、物流倉庫として利用する。これによって滋賀事業所は全17棟となる。
クリーンルーム向け天井搬送システム(OHT)の非接触給電装置や電源パネル、制御盤などを生産する小牧事業所(愛知県小牧市)にも約100億円を投資し、1つの既存棟を全面改修する。いずれも2029〜2030年にかけて建設や改修を完了させる。生産スペースは2023年比でイントラロジスティクス事業で約1.3倍、クリーンルーム事業で約2倍に拡張する。
ダイフク 代表取締役社長 寺井友章氏は「かつては搬送用のビークルが100台導入されれば大型案件といわれていたが、現在の大規模な工場では1つの工場で1000台規模で入る。さらに複数の工場をつないで運用するため、10個の工場をつなげばビークルの数も1万台規模、総搬送路は300kmに達する。そしてそれらを動かすソフトウェアの信頼性も大切になる」と語る。
欧州事業の拡大を狙い、2026年4月に、自動車生産ラインの搬送システムや産業用塗装設備を手掛けるドイツのEisenmann(アイゼンマン)の買収を発表した。取得額は約120億円を見込んでおり、同年7月に買収完了予定だ。
「日本や米国のメーカーには高く評価していただいていたが、欧州ではなかなかチャンスをつかめていなかった。アイゼンマンは欧州でのシェアが高く、塗装前後の工程では一緒に仕事をしたこともある。今後は塗装工程自体を持つことになり、彼らの納入実績を基に、塗装工程以外にも事業を広げていきたい」(寺井氏)
今後も業種や地域に制約を設けず、M&Aを模索する。
「われわれとは全く関係ない業種でも、その前後にマテハンのシステムがつながることで事業領域を広げられるのであれば積極的に投資したい。もちろん、既存事業を伸ばす上で必要不可欠な技術であれば、機動的に買収を行っていく」(寺井氏)
研究開発体制の整備も進めており、各事業部において必要となる先端技術の研究開発を行う京都Labを2025年に、フィジカルAI(人工知能)やロボティクスなど中長期的に新領域の開発を担う東京Labを2026年に設立。2027年には京都Labは90人体制、東京Labは50人体制へと拡充する。
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