令和8年熊本地震による工場への影響まとめ工場ニュース(1/2 ページ)

熊本県内を中心に令和8年熊本地震による工場への影響をまとめた。

» 2026年07月29日 21時30分 公開
[MONOist]

 2026年7月28日、熊本県熊本地方において最大震度7を観測した「令和8年熊本地震(以下、熊本地震)」が発生した。熊本県には半導体や自動車関係など製造業の工場が多数ある。同県内を中心に熊本地震による工場への影響をまとめた(7月29日21時30分時点)。

【7月30日5時情報更新】JASM、三菱電機、ホンダの第1報の情報を追加した。

半導体/ディスプレイパネル/電子部品

ルネサス エレクトロニクス

 ルネサス エレクトロニクスは7月29日、震源地の熊本県熊本地方付近に所在する川尻工場(熊本県熊本市)、錦工場(熊本県球磨郡錦町)の状況を発表した。

 従業員全員の安否確認を完了しており、人的被害はない。建屋/設備への影響については、同日朝よりクリーンルームでの確認を進めている。

 錦工場では一部天井パネルの落下や壁面のひび割れが確認されているが、空調と電力供給設備などの用役に問題はなく、クリーンルーム環境は維持されているという。川尻工場では壁面の亀裂や一部漏水が確認され、純水の供給を一時的に停止している。空調と電力供給設備に問題はなく、クリーンルーム環境は維持されているという。両工場の設備と仕掛品への影響、サプライチェーンへの影響は現在調査中である。

ソニーセミコンダクタソリューションズ

 ソニーセミコンダクタソリューションズは7月29日、ソニーグループでCMOSイメージセンサーなどの半導体の設計/開発/製造を手掛けるソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)の状況を発表した。

 地震発生時に事業所内で勤務していた従業員に、人的被害は確認されていない。同センターでは地震発生直後から生産活動を停止しており、建屋とファシリティの被害状況について確認を進めているところである。一方で、ソニーセミコンダクタソリューションズの長崎(長崎県諫早市)、大分(大分県大分市/国東市)、鹿児島(鹿児島県霧島市)の各生産拠点においては、建屋とファシリティに大きな被害はなかった。

テラプローブ

 テラプローブは7月29日、九州事業所(熊本県葦北郡)の状況を発表した。

 従業員、構内協力会社、顧客に人的被害はない。建屋やインフラへの影響も、現時点では確認されていないという。現在は従業員などの安全を確保した上で、生産設備や治工具の点検作業を行い、稼働再開に向けた準備を進めている。

 テラプローブは、台湾の半導体後工程企業パワーテックのグループ企業であり、半導体の動作確認や検査を手掛ける。

JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)

 台湾のファウンドリー大手TSMCは7月29日、X(旧Twitter)により、同社傘下のJASM(熊本県菊陽町)の状況を発表した。

 JASMは地震発生後、従業員の安全を最優先とする社内所定の手順に従って、安全予防措置などを直ちに発動した。工場にいた従業員を即時に退避させ、従業員全員の安全を確認している。JASM敷地内の建屋では、地震後の建物構造健全性調査が完了しており、構造上の安全性が確認された。

 工場では、水や電力の供給システムおよび安全システムが正常に稼働している。製造装置に関わる検査や調整作業を継続的に進めているところだが、地震の揺れが比較的大きかったため、装置の調整作業に一定の時間を要することが予想されるという。

 一方、工場内の点検を踏まえて、TSMCがJASMを支援するリソースを割り当て、原材料の供給についても問題が生じていないことが確認された。また、現在建設中の第2工場の工事現場は地震影響を受けておらず、安全を確認した上で7月29日から工事を再開したとしている。

三菱電機

 三菱電機は7月29日、同社の半導体・デバイス事業が熊本地区に展開するパワーデバイス製作所(熊本県合志市)の状況を発表した。

 従業員全員の安否を確認しており、人的被害は発生していないが、安全確認のため操業を停止している。現時点では建屋に大きな損傷は確認されていないものの、設備および生産への影響については引き続き確認を進めているところだ。

 同社は従業員および関係者の安全を最優先に、順次生産再開に向けて復旧作業を進めていくとしている。

電子機器/製造装置

東京エレクトロン

 東京エレクトロンは7月28日、半導体の洗浄装置やコータ/デベロッパなどの開発/製造を手掛ける東京エレクトロン九州(熊本県合志市)の状況を発表した。

 合志事業所(熊本県合志市)、大津事業所(熊本県菊池郡)ともに、現時点では建物や設備に大きな損害は確認されていない。29日は両事業所の稼働を停止し、安全点検を行っている。

荏原製作所

 荏原製作所は7月29日、半導体製造装置の製造、ドライ真空ポンプのサービス/サポート拠点である熊本事業所(熊本工場)(熊本県玉名郡)の状況を発表した。

 従業員全員の無事が確認できている。また、建物や設備においては現時点で大きな損害は確認されていない。29日は稼働を止めて点検を実施しており、安全が確認でき次第順次稼働を再開する予定だという。

ローツェ

 ローツェは7月28日、九州工場(熊本県合志市福原)の状況を発表した。

 従業員の人的被害は現時点で確認されておらず、設備や建物の被害は現在確認中だという。

 ローツェは広島県福山市に本社を置き、半導体/FPD関連装置や、シリコンウエハ中の金属不純物を自動分析する装置の開発/製造/販売などを手掛ける。

オムロン フィールドエンジニアリング

 オムロン フィールドエンジニアリングは7月29日、被害状況を発表した。オムロングループにおいて、ATMやFA機器などの設計や保守/運用を担っている。

 地震とその後の余震の影響により、交通機関や道路網、物流網の一部に支障が生じている。これに伴い、被災地域とその周辺地域において、同社が提供するオンサイト保守サービス、機器の設置/点検/修理対応、部品/消耗品などの配送に遅れが生じる可能性があるという。

堀場製作所

 堀場製作所は7月29日、子会社で半導体事業を担う堀場エステックの阿蘇工場(熊本県阿蘇郡西原村)の状況を発表した。

 従業員への人的被害や、建物や設備への大きな被害は確認されていない。同日は稼働を停止し、安全を最優先とした点検を行っている。また、同工場内に拠点を置く、堀場エステック、堀場アドバンスドテクノの九州中央セールスオフィス、堀場テクノサービスの熊本サービスステーションについても、同日は臨時休業としている。

 堀場エステックの阿蘇工場では、堀場エステックのガス/液体の流体制御機器、堀場製作所の異物検査装置、血球計数装置や試薬、堀場アドバンスドテクノの薬液濃度モニター、pH計などの生産を手掛けている。

平田機工

 平田機工は7月28日、本社(熊本県熊本市)を含む各拠点の状況を発表した。

 従業員の人的被害は確認されていない。また、建屋/設備についても、現時点において大きな損害は確認されていない。現在は地震による影響の全容把握に向けて、被害状況の詳細調査と設備点検を継続している。

 平田機工は、自動車や半導体分野向けの生産システムや、産業用ロボット/物流関連機器などの製造と販売を手掛ける。

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