ファナックは「2026国際ウエルディングショー」において、部品の図面を読み取りロボットがアーク溶接を行うAI溶接エージェントのデモンストレーションなどを披露した。
ファナックは「2026国際ウエルディングショー」(2026年9月16〜19日、東京ビッグサイト)において、部品の図面を読み取りロボットがアーク溶接を行うAI(人工知能)溶接エージェントのデモンストレーションを披露した。
会場のデモでは、まず用意された溶接図面の中から説明員がランダムに選んだ図面を、協働ロボットのティーチングペンダント内蔵のカメラで撮影。その後、Google Cloud上のGemini Enterpriseなどを活用したAIエージェントが図面から溶接形状や脚長、溶接長さ、板厚などを読み取り、最適な電流や電圧、溶接速度などの溶接条件を生成して説明員に提案する。
それらはロボットコントローラーへと転送され、テスト動作の後、仮付けや本溶接を行う。その間、説明員はティーチングペンダントにほとんど触れることなく溶接を終えた。今回は治具でワークの位置を固定していたが、ビジョンカメラなどを組み合わせることで、ワークが置かれた場所に応じた位置補正も可能になるという。
自動車や建設、造船などの産業でアーク溶接の重要性が増す一方、アーク溶接の条件出しやロボットの教示を行える熟練の溶接作業者の不足が課題となっている。ファナックではAI溶接エージェントに関して、2026年12月末の出荷開始を見込んでいる。
ロボット自身がワークを保持する治具レス溶接のデモも披露した。
従来の溶接システムでは、ワークをクランプして動かないように固定する専用の治具や設置テーブルが必要だったが、テーブルの代わりにロボットにワークを直接持たせることで設置機材を排除し、省スペース化に貢献する。
また、固定した状態ではアーク溶接時に重力でビード(溶接跡)が垂れてしまうケースがあるが、ロボットで保持すればワークの角度を変えることができ、重力の影響を受けにくい最適な姿勢で溶接できる。
ワークのハンドリングを行うロボットと溶接を行うロボットは、ロボットコントローラーに内蔵されたソフトPLCによってロボット同士の衝突や干渉を防ぐインターロック信号のやりとりを行っている。
非常停止などが可能な同様のシステムを構築する場合、従来は異常発生時に確実にシステムを停止させ、人や設備を守る安全PLCをシステムの最上位に設置するのが一般的だった。コントローラーのソフトPLC内の機能を活用することで、ハードとしての安全PLCを置く必要なく、ロボットコントローラー単体で安全停止回路まで完結できるシステム構成を実現している。
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