「AWS Summit Japan 2026」のスペシャルセッションに登壇したファナック 常務執行役員 ロボット研究開発統括本部長 安部健一郎氏が合同取材に応じた。安部氏は、ファナックのフィジカルAI(人への向き合い方、AWSと目指す世界、ロボットの制御性、ソフトPLCなど多岐のテーマについて語った。
AWS(アマゾン ウェブ サービス)ジャパンの年次イベント「AWS Summit Japan 2026」(2026年6月25〜26日、幕張メッセ)の2日目に行われたスペシャルセッションに登壇したファナック 常務執行役員 ロボット研究開発統括本部長 安部健一郎氏が合同取材に応じた。安部氏は、ファナックのフィジカルAI(人工知能)への向き合い方、AWSと目指す世界、ロボットの制御性、ソフトPLCなど多岐のテーマについて語った。
Q 「フィジカルAI」への注目が急速に高まっていますが、ファナックはどのようなスタンスで向き合っているのでしょうか。
安部氏 われわれとしては、フィジカルAI対応のロボットを開発しようとしているわけではない。ファナックには既に250種近くのロボットがあるが、全てフィジカルAIに対応できる。
われわれは“フィジカルAIをやろう”ではなく、ロボットがいつも決まった動きを繰り返すのではなく、周囲の環境を見て確認し、いろいろな演算をAIが行う、というソリューションを考えていたら、それが「フィジカルAIだ」といわれるようになった。
ファナックはロボットメーカーであり、ロボットとロボットコントローラーでさまざまな社会課題、特に人手不足を解決していくことに企業としての価値やエンジニアとしての喜びがある。
人手不足で困っているのは日本だけではない。インドでも人が足りないといわれている。最初聞いたときは「冗談だろう」と思ったが、製造業で安定して働いてくれる人がいないため、採用に本当に苦労しているという。自動化できれば解決するからロボットが必要とされている。
ファナックは幅広い産業を支えるためにたくさんの種類のロボットを提供している。今の約250種のロボットのラインアップは、いろいろな産業の自動化のニーズを聞きながら出来上がったものだ。
われわれの開発の姿勢は、“こういうロボットを作りたい”“売れるところは後から探そう”ではない。われわれは世界中のさまざまな産業の工場とつながっていて、どんなことに困っているか手に取るように分かっている。それに対して、できるだけ共通で使えるものを商品化する。そのため、新しいロボットを商品化する時はどこに売れるのかは大体分かっている。
そこにビジョンなどのセンシングや知能を加えると、ロボット単体ではできなかったことができるようになる。それが結果的に“フィジカルAI”だった。
実装を進めていく上では、ユーザーの要望と、われわれのロボット技術だけでは不十分で、今回のAWSのような、ユーザーがやりたいことをともに実現するパートナーが必要になる。
何でもフィジカルAIを適用するのではなく、ルールベースで解決できるならルールベースを適用した方がいい。
単にフィジカルAIを使うのではなく、ユーザーがやりたいことの中にフィジカルAIでしかできないことがあるという考え方だ。特に、工場に限らず今も人間が行っている作業は、フィジカルAIが必要になる場面が多い。
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