ダイヘンは、アーク溶接技術を応用した次世代金属積層造形「WAAM」事業に参入する。大型金属部品を安定して製造できる金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」の受注と受託造形サービスを開始する。
ダイヘンは2026年5月18日、アーク溶接技術を応用した次世代金属積層造形「WAAM(Wire Arc Additive Manufacturing)」事業に参入すると発表した。独自開発した金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」を同月29日から受注開始するほか、有償の受託造形サービスも提供する。
WAAMは、溶かした金属ワイヤをアーク溶接で積層する3Dプリンティング技術だ。金属粉末にレーザーや電子ビームを照射するPBF(Powder Bed Fusion)方式と比較して、数倍から数十倍の造形速度を誇り、材料コストや安全管理の負担を抑えられる利点がある。
同社は、長年培ったアーク溶接技術と高精度ロボット制御技術を組み合わせて、WAAMの課題である入熱による変形や品質のばらつきを抑制し、大型金属部品を安定して製造できるArcBuilder 3Dを開発した。
ArcBuilder 3Dには、独自の交流シンクロフィード溶接技術を応用している。高い溶着量を維持しつつ低温での高速造形ができるため、溶け落ちなどの不良を防ぎ、冷却時間も大幅に短縮した。造形能率は従来の溶接手法と比較して24%向上している。
対応材料は鋼材やステンレス鋼、アルミニウム合金など幅広く、搭載する専用ソフトウェアで複雑な形状のCADデータから最適なロボット軌跡を生成できる。同システムのメーカー希望需要家価格は7500万円(税別)からで、同社は初年度に20式の販売を目指す。
受託造形サービスでは、顧客の3Dデータを基に同社の専属技術員が試作造形をワンストップで請け負う。これにより、溶接やロボットに関する高度な知見がない企業でも金属積層造形の導入を検討しやすくなる。
同社はWAAM事業を通じて、船舶や建設機械、航空宇宙などの大型構造物分野における製造革新を支援する。また、同事業において国内市場の開拓を進めるとともに、次年度以降は欧米市場への参入も視野に入れ、2030年に売上高100億円を目指す。
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