三菱電機は「産業オープンネット展2025」において、2025年4月に発売した「MELSEC MXコントローラ」を出展した。
三菱電機は「産業オープンネット展2025」(2025年7月9日、東京都立産業貿易センター)において、同年4月に発売した「MELSEC MXコントローラ」を出展した。
MELSEC MXコントローラは、高性能マルチコアMPUを標準搭載し、従来別々のユニットで行われていたシーケンス/モーション/ネットワークの3つの制御を一体化したコントローラーだ。大中規模工場向けの「MX-Rモデル」、小規模工場向けの「MX-Fモデル」がある。
全機種にCC-Link IE TSNを内蔵。MX-Rモデルは制御軸数16〜256のラインアップがあり、モーション制御性能は128軸/1.2ms(モーション演算周期設定が1.5msの場合)、接続可能局数は最大253局となっている。MX-Fモデルは制御軸数8、16のラインアップがあり、モーション制御性能は16軸/1ms、接続可能局数は最大46局となっている。さらに低速、中速、高速といった3種類の演算周期が混在可能だ。
三菱電機のエンジニアリングソフトウェア「MELSOFT GX Works3」でシーケンスとモーションのプログラミングができる。従来のようにユニットごとにプログラムを作成する必要がなく、1ツールのプログラミングにより開発工数を削減する。
MX-Rは制御システム向けのサイバーセキュリティに関する国際規格「IEC 62443-4-2」に適合しており、ユーザーごとにアクセス/操作権限を設定することも可能だ。MX-Fは今後、IEC 62443-4-2への対応を予定している。
将来的に、接続された表示機(GOT)の操作履歴やネットワークカメラの動画データ、モーション関連の制御データなどのレコーディング機能や、AI(人工知能)を活用したそれらのデータ解析機能なども追加する予定という。
近日発売を予定している「CC-Link IE TSN対応無線LANアダプタ」も展示した。
通常のEthernet(イーサネット)に加え、CC-Link IE TSNのClass Aによる一般/安全リモートI/Oの制御を可能にする。「AGV(無人搬送車)やAMR(自律型搬送ロボット)、配線が難しい場所にある機器まで1つのネットワークで制御したいというニーズがある」(三菱電機の説明員)。
対応周波数帯は2.4G/5G/6GHz。メッシュ機能による通信機能の冗長化、ローミング機能による電波強度に応じたアクセスポイントの切り替えにも対応しており、安定した無線環境を構築できるとしている。
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