本連載では「CC-Link IE TSN」に代表される「CC-Linkファミリー」ネットワーク技術の特長と、それによって実現できるモノづくりの未来について、前後編の2回にわたって分かりやすく説明します。後編では、CC-Link IE TSNの特長と今後の展望について紹介します。
産業用オープンネットワークは、近年急速に対応が求められているスマートファクトリーの構築や製造業DXの適用において、その基盤となる重要な技術です。
本稿では、入門編として「CC-Link IE TSN」に代表される「CC-Linkファミリー」ネットワーク技術の特長と、それによって実現できるモノづくりの未来について、前後編の2回に分けて分かりやすく説明し、その重要性を解説します。
前回の前編では、CC-Linkファミリーのこれまでの歩みや、CC-Link IE TSNにおいて世界で初めて産業用ネットワークに採用したTSN技術について説明しました。今回の後編では、CC-Link IE TSNの特長と今後の展望について紹介します。
CC-Link IE TSNは、従来のCC-Link IEに対する市場からの要望に応え、産業用IoT(IIoT)を活用したスマートファクトリーの構築を加速させるネットワーク技術です。
従来のCC-Link IEの特長を継承しつつ、TSN(Time‐Sensitive Networking)技術を採用することにより、同一幹線上で複数の異なるネットワークの混在が可能なため、上位のITシステムから製造現場のFAシステムまでシームレスに連携することが可能になります。さらに、効率的なプロトコルにより、高速・高精度なモーション制御の実現を両立できます。
また、ハードウェア実装のみならず、ソフトウェアでも実装可能なため、最適な開発手法でCC-Link IE TSN対応製品の開発が可能となります。
CC-Link IE TSNは、OSI参照モデルの第2層に位置するTSN技術をベースに、第3~7層のCC-Link IE TSN独自プロトコルとEthernet(イーサネット)標準プロトコルで構成されています。
CC-Link IE TSNの主な特長は以下の5つです。
TSN技術の特長である時刻同期とスケジューリング機能のイメージは、文字や図よりも動画の方が分かりやすいため、CC-Link IE TSNのコンセプトとその特長について動画(約4分)でご紹介しておりますので、まずはこちらをご覧ください。
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