牧野フライス製作所は、2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)の決算内容についてオンラインで説明会を開いた。
牧野フライス製作所(以下、牧野フライス)は2025年4月30日、同日発表した2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)の決算内容についてオンラインで説明会を開いた。
2025年3月期の売上高は前年同期比3.9%増の2342億円、営業利益は同13.1%増の185億円、経常利益は同6.2%増の200億円だったが、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.8%減の144億円だった。為替の影響を除外すると売り上げ自体は減少したが、円安が業績を押し上げた。
牧野フライス 代表取締役社長の宮崎正太郎氏は「2025年3月期は、中国や欧州を中心とした世界的な景気低迷からスタートしたが、中国で安定的に受注を獲得し、欧米でも下期から航空宇宙を中心に回復基調に入った。通期では売り上げ、受注共に計画を上回り過去最高になった」と振り返った。
当期純利益が減益となった要因は、ニデックによるTOB(株式公開買い付け)に関する費用として特別損失を計上した他、2021年3月期に赤字に転落した際に生じた繰越損失がなくなり、税負担が増した。
2026年3月期は、売上高が前年同期比2.5%増の2400億円、営業利益が同16.1%増の215億円、経常利益が同9.5%増の220億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.9%増の180億円を計画する。
2025年3月期の受注は、2275億円の計画に対して、実績はそれを上回る2380億円だった。2026年3月期の受注は2450億円を見込む。
宮崎氏は「EV(電気自動車)などの新エネルギー車関連を中心に中国で安定した受注が取れ、欧州、米州では航空宇宙向けの受注が増加した。米国の関税政策の影響もあり、(2026年3月期の)上期は若干減速することが予想されるが、中国における新エネルギー車やインフラ関連、インドやその他アジア地域における半導体製造装置関連が上期から底堅く推移すると想定している」と話す。
2025年4月の受注も堅調に推移している。宮崎氏は「現時点で、米国向けの部品は10%の関税を加味した形で値上げをしている他、機械の関税はユーザー側で負担してもらうため、今のところ関税の影響はない」と語った。同社 代表取締役専務の永野敏之氏も「米国に工作機械メーカーが多くあるわけではなく、例えば自動車部品を作る工作機械は、日本や欧州から輸入せざるを得ない」と述べた。
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