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» 2021年11月02日 12時30分 公開

パナソニック新潟工場の現場を変えた、たった4人の「からくり改善」【後編】メイドインジャパンの現場力(32)(1/4 ページ)

たった4人で始めた同好会からスタートし、「からくり改善」により次々に成果を生み出しつつあるのが、パナソニック エレクトリックワークス社 新潟工場である。同社の「からくり改善」を活用した現場改善への取り組みを紹介する。後編では、実際に導入された「からくり改善」装置とその効果についてお伝えする。

[三島一孝,MONOist]

 たった4人で始めたパナソニック エレクトリックワークス社 新潟工場の「からくり改善」への取り組みを紹介する本稿だが、「からくり改善」へ取り組む経緯や効果について紹介した前編に対し、後編では、具体的な「からくり改善」装置と、それを構築するための工夫や実際の効果などについてお伝えする。

(※)「からくり改善」は日本プラントメンテナンス協会の登録商標です。

4万6000円のコストで1日当たり33分の改善効果

 2017年から活動を開始したパナソニック エレクトリックワークス社 新潟工場の「からくり改善」同好会(現在は分科会)だが、4人で開始した活動初期に作り現場に導入したのが、作品名「どんだけ〜 1コウ(1号)」となる。

photo 初期に開発した「どんだけ〜 1コウ(1号)」[クリックで拡大]
photo 「どんだけ〜 1コウ(1号)」開発のポイントとなった自在ローラー。不安定な方向へ傾く特性を生かし排出されたワークの向きを調整する[クリックで拡大]

 これは、非常用照明の生産工程で装置から出てきたワークを搬送する前に整頓して並べて蓄積する「からくり改善」装置となる。従来はコンベヤーから流れてくる段ボールに梱包されたワークが蓄積スペースに特に何の整理もなくたまっていくだけだったため、ワークが斜めになったり、積み重なったりして、蓄積スペースからあふれることがあった。そのため、搬送作業者が作業の頻度を上げたり、工程作業者がラインを止めて確認したりする必要があり、生産性低下の要因となっていた。

 そこで、「どんだけ〜 1コウ(1号)」では、ベルトコンベヤーで排出されてきたワークが自重でローラーを滑り、インラインスケートなどで使われている自在ローラーで向きを調節して、ワークの向きを一定にして蓄積する仕組みを実現した。

「どんだけ〜 1コウ(1号)」の動き[クリックで動画再生]

 これにより、蓄積の状況を監視したり、整頓したりする必要がなくなり、補助人員1人を他の作業に回すことができるようになった。改善効果は1日当たり33分になるという。

 からくり改善の分科会を主導するパナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部 ものづくり革新センター 生産技術開発部 工法開発科の徳吉潤成氏は「『からくり改善』の良いところは現場の困りごとを起点に、簡単で手軽にコストをかけずに課題解決ができる点だ。現場ではスペースも限られておりそれに合わせて装置を作る。この装置は相談を受けてから導入まで約5日で行った。費用は約4万6000円だ。基本の仕組みはほぼ1日で構築し、後はほとんど調整を行って実現した」と語っている。

photo 現場で活用されている「どんだけ〜 1コウ(1号)」[クリックで拡大]
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