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» 2015年02月18日 10時00分 公開

「滑らか」って何だ!? ――曲線と曲面のお話3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(42)(5/5 ページ)

[水野操 テクノロジーコラムニスト/3D-GAN,MONOist]
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ゼブラシェーディング

 ゼブラシェーディングでは、面の曲率を確認できます。ゼブラの線が途切れて隣り合う面とずれている場合には、位置だけが連続している状態、すなわち0であることが分かりますし、ゼブラの縞の線がつながってはいるが、折れ曲がっているのであればG1連続、滑らかにつながっていればG2連続であることが分かります(図16、17、18)。

図16:曲線の曲率を確認 上がG2連続で直線から連続的に曲率が変化、下がフィレットをかけた部分で直線から非連続的に曲率が変わり、直線に戻るまで曲率が一定
図17:図16の曲線を押し出して作った面 左のG1のものと右のG2とのゼブラの違いが分かる
図18:曲面の連続性を見る

 また、図17のように似たような形状であったとしても、ゼブラでハイライトを掛けるとよく分かりますし、環境を映り込ませれば、G2で比較的滑らかに変わっているものが、G1などではかなり明確に不連続さが分かる場合があります。時々、似たような形状なのにスムーズさを感じたり感じなかったりするのは、「私たちの目や感覚がこの違いをとらえているから」ということが言えるのではないでしょうか。

 CADにもよりますが、スケッチでは端点にG2連続による拘束条件が付けられます。それによって、制御点の動きが制限できるので、条件を崩さずに曲率をコントロールできることがあります(図19)。

図19:このケースでは両端の直線との間にG2連続の拘束を定義しているので、それを壊すような制御点の操作ができない

 また、制御点の位置は変えずに、制御点におけるウェイトを変更することで、やはり曲率の制御をすることが可能な場合もあります(図20、21)。

図20:黄色くハイライトされた制御点のウェイトは当初は1
図21:制御点は動かしていないが、この点のウェイトを0.4に変更 曲率が大きく変わり、曲線自体のふくらみも変換する

 ということで、今回はこれくらいにしておこうと思います。

 「滑らか」と一口で言ってもいろいろとあるだけです。そして、CADにもよりますが、その滑らか度合いを確認したり、あるレベルで制御することも可能だったりします。ただ、やたらと高い連続性を作り込んでも、それが必ずしも有益とはいえません。作り込みの手間やデータの重さにも効いてきます。意匠面だからG2連続まで気を使う場合がある一方で、例えば機械内部の部品は、その形状で機能することが大事であって、特に気を使わないということもあります。

 要するに、「何事もそのレベルに応じた適切さが大事」ということです。

 今回はこちらで失礼いたします。ではでは。

コンテンツ制作協力:Osamu Suzuki

Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。マルチ・ディメンション合同会社社長。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開している他、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。


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