無償3次元CAD「Autodesk123D Design」が1年ぶりにバージョンアップ。STLのインポートに対応したり、SVGファイルを下絵として取り込めるようになったり、少し便利になった。
最近、かれこれ1年以上続いた“3Dプリンタ熱”が冷めてきて、少しの寂しさを感じていました。ところが最近、例の銃の事件(関連記事:殺傷能力がある拳銃を作れる3Dプリンタは法的に規制すべきか?)があって、世の中の3Dプリンタ熱が再燃したのではないかと、あえて前向きに考えよう思っています(笑)。とはいえ真面目な話、ようやく少しずつですが「3次元データが重要」ということも浸透してきたのも今日この頃ではないかと感じています。
さて、そんな3次元データを作成するのに必要なのは、3次元CADや3次元CGです。今回も、前回に引き続き無償3次元ツール「Autodesk 123D」関連ですが、2014年4月リリースの無償3次元CAD「Autodesk123D Design」の新バージョン1.4の見どころを紹介します。
なおAutodesk123D Designの旧バージョンについては、本連載第20回「あの無償3DCADのその後 ――もっとCAD初心者寄りに 」をご覧ください。
まず「あれっ?」っと思ったのが、“見た目”の変化でした。「もしかして、何かとてつもない変化が起きたのでは!?」と少しヒキました(笑)。ですが実のところ、機能や操作の流れはほとんど変わっていません。
平たくいえば、同社が以前買収していた「Tinkercad」っぽい見た目に変わっています。ちなみにTinkercadの新規作成画面は以下のような感じです。
モデリングそのものの機能は旧バージョンと変わっていないといってよいでしょう。モデリング機能関係の変化といえば、まず「Combine」(組み合わせる)です。とはいえ、機能そのものは変わっていません。
Combineは、いわゆる形状のブーリアンを行うためのコマンドです。旧バージョンでは、Combineは1つのアイコンしかなく、「Merge」(足す)「Subtract」(引く)「Intersect」(交わる)はアイコン選択後のオプション切り替えで設定しました。新バージョンでは、Combineのアイコンをクリックすると3オプションがメニューとして表示されています。要は、ユーザビリティの(使いやすく)改善といったところですね。
もう1つ、「Snap」(スナップ)の機能改善もユーザビリティ改善のポイントの1つでしょうか。Snapは、別々のパーツの面同士を合わせる機能です。アセンブリの合致と動きが少し似ていますが、拘束はなく、厳密な位置指定もできません。
旧バージョンでは、Snapを適用すると、問答無用でグループ化されてしまいました。これが結構、面倒でした。例えば、任意の面同士でSnapしたパーツの位置を調整する際には、その都度、「Ungroup」(グループの解除)を適用しなければいけませんでした。
新バージョンでは、あらかじめ「スナップするかしないか」を切り替えられます。以下の図のように、画面右側に縦に並んだ表示関係のメニューの下に、新たに追加されています。
また旧バージョンでは、グリッド(マス目)が常に表示されていました。モデリングの状況によって、あるいは3Dモデルを画面キャプチャーしたいとき、一時的に消えてほしいというときもありますよね。新バージョンでは、グリッドのオン/オフができるようになりました。個人的には、画面キャプチャーする機会がよくあるので、重宝しそうです。
上記で説明したCombine、Snap、Gridの基本操作は、以下の動画で簡単にまとめてみたのでご覧ください。
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