熟練職人のように陶製品を造形できるパウダー3Dプリンタ登場3Dプリンタニュース

ローランド ディー.ジー.は、専用セラミックス材を用いて陶製品などを造形できるパウダー3Dプリンタ「PB-600」「PB-400」の2機種を発表。2025年1月29日から日本、台湾、ASEAN地域で先行発売を開始する。

» 2025年01月30日 06時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 ローランド ディー.ジー.(以下、ローランドDG)は2025年1月29日、3Dプリンタ用セラミックス材「BRIGHTORB」(開発元:AGCセラミックス)を用いて、陶製品などを造形できるパウダー3Dプリンタ「PB-600」「PB-400」の2機種を発表した。オープン価格(別途、運送/設置費が必要)で、同日から日本、台湾、ASEAN地域で先行発売を開始し、順次販売エリアを拡大していく予定だという。

陶製品などを造形できるパウダー3Dプリンタ「PB-600」「PB-400」 陶製品などを造形できるパウダー3Dプリンタ「PB-600」「PB-400」[クリックで拡大] 出所:ローランドDG

 「PBシリーズ」(両機種の総称)の造形方式は、プリントヘッドから噴射する液体の結合剤(バインダー)でBRIGHTORBを一層ずつ固めながら積層していき、立体物を造形するバインダージェット方式に分類される。

 PBシリーズを用いることで、特別な技能やノウハウが求められ、従来限られた職人にしか作れなかった難しい形状の陶製品を手軽に造形できるという。他にも、手作業では難しい構造を有する芸術的な内装オブジェや陶板、陶壁、さらに美術工芸品や土器などのレプリカの製作、再現にも活用できる。

PBシリーズによる造形サンプルのイメージ PBシリーズによる造形サンプルのイメージ[クリックで拡大] 出所:ローランドDG

 主な仕様としては、XY解像度が600×600dpi、積層ピッチが0.1mmとPBシリーズで共通。造形速度はPB-600が1層当たり35秒、PB-400が同45秒で、最大造形サイズはPB-600が595×600×250mm、PB-400が390×290×200mmとなる。装置の外形寸法と重量は、PB-600が3150×1344×1900mmで1200kg、PB-400が1709×970×1382mmで430kgだ。

 スライスソフトウェアも標準で用意し、3D CADや3D CGソフトウェアで作成した3Dデータを出力データに変換できる。また、装置本体にもモニターがあり、初めて使用する場合でも直感的に操作することが可能だという。

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