スリーディー・システムズ・ジャパンは「TCT Japan 2025」に出展し、国内での本格展開を開始したばかりの新型3Dプリンタ「PSLA 270」を訴求。展示ブースで造形サンプルを確認することができた。
スリーディー・システムズ・ジャパン(以下、3Dシステムズ)は、3Dプリンティング&AM(アディティブマニュファクチャリング)技術の総合展「TCT Japan 2025」(会期:2025年1月29〜31日/会場:東京ビッグサイト)に出展し、国内での本格展開を開始したばかりの新型3Dプリンタ「PSLA 270」について訴求。同社ブースで造形サンプルを確認することができた。
PSLA 270は、光源のプロジェクターから下向きにLED光を照射する光造形3Dプリンタで、同社が手掛けるDLP(Digital Light Printing:プロジェクターによる面露光)方式の吊り下げ型光造形3Dプリンタ「Figure 4」の技術と、レーザー方式のSLA(Stereolithography Apparatus)技術の「良いとこ取りをした最新機種だ」(説明員)
庫内上部に固定された高出力の大型プロジェクター(デュアルHDプロジェクター)による面一括露光によって、従来のレーザー方式と比較して3〜5倍の高速造形が可能。最大造形サイズは242×265×300mmで、Figure 4(最大造形サイズ:124.8×70.2×196mm)では対応し切れなかった大型造形ニーズに応える。
「PSLA 270は、より大型のものをより速く造形できるようになっただけでなく、浮力を生かせる液槽タイプにしたことで、吊り下げ式で生じることのある造形中の伸びや落下のリスクもなく高精度での造形が可能だ。サポート材の使用も最小限に抑えられる。3Dシステムズの技術の結晶ともいえる最新機種であり、今後の展開に期待している」(説明員)
PSLA 270の使用材料は、Figure 4で定評のある多様なエンジニアリング/量産グレードの樹脂材料「Figure 4 PRO-BLK 10」「Figure 4 HI TEMP 300-AMB」「Figure 4 Rigid White」「Figure 4 Rigid Gray」などに対応する。
「PSLA 270は、Figure 4で好評だった精度や品質もそのまま受け継いでいる。さまざまな3Dプリンタが登場する中、われわれは機構だけでなく、プロセス(例:照射時間、タイミングなど)にもこだわった製品づくりをしている。3Dシステムズが長年培ってきた3Dプリンティングに関する豊富な知見を製品に落とし込み、競合製品との差別化を図っていく」(説明員)
なお、2025年1月9日にPSLA 270の販売および装置導入サポートの開始を発表したSOLIZEのブースでも、PSLA 270の造形サンプルや説明パネルを展示していた。
SOLIZEは同社の大和工場(神奈川県大和市)にPSLA 270を導入し、検証/製作支援や装置検討用ベンチマークの受け付けを同年2月からスタートすることもアナウンスしている。
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