設計品質と量産品質の構造を整理し、品質不良が生まれるメカニズムを体系的に考察する連載「製品リコールを生む品質不良の原因と対策」。第4回では、設計プロセスで「完璧な設計」が実現できない理由について引き続き解説する。
前回、製品を市場に出すまでには「設計プロセス」と「量産プロセス」があり、前者の設計プロセスで製品がリコールになる原因は、「完璧な『設計』ができないから」であると説明した。そして、その理由として次の2つを挙げた。
前回は「設計者の設計スキルが低い」理由を解説したので、今回は「製品メーカーの品質レベルが低い」について取り上げる。
製品メーカーの品質レベルが低い理由は2つある。1つは、品質基準/システムが未成熟であることだ。その原因は、前回取り上げた「設計者の設計スキルが低い」に起因する。
設計スキルとは、CADで設計データを作成するスキルだけではない。下記のようなスキルも含まれる。
上記の3.で決めた試験項目やそれぞれの試験方法、判定基準が製品メーカー内に蓄積されることで、そのメーカーの品質基準が定まる。さらに、それらの運用方法が整うことで、品質システムが決まる。
つまり、製品メーカーの品質レベルが低い理由の1つは、設計者や品質担当者の1〜3.を横断した統合的な設計スキルが不足しており、品質基準/システムが未成熟な点にある。
その結果、設計品質に欠落があったり、目標とする品質レベルが決まらなかったりすることで、市場から「危険だ/壊れやすい(つまり品質レベルが低い)」と認識されてしまう。
日本車は信頼性が高く、「10年走っても壊れない」とよくいわれるが、それを担保する試験は企業機密であり、その内容は公開されていない。こうした設計品質そのものが、製品の競争力につながるからだ。
そのため、製品の設計を始めたばかりのモノづくりスタートアップなどは、自力で品質レベルを高めていく努力をするしかない。
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