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» 2023年08月08日 07時00分 公開

3Dプリンタによる小ロット生産の普及目指すプログラム、アジア最大の設備を披露3Dプリンタニュース(1/2 ページ)

ケイズデザインラボ、JMC、スリーディー・システムズ・ジャパンは中小製造業のDXを加速させる“3Dプリンタによる小ロット生産”を普及推進するプラットフォーム事業「デジタル製造プログラム」の進捗報告会を開催。併せて「アジア最大規模」をうたう量産対応3Dプリンタによるデジタル製造システムを初披露した。

[八木沢篤MONOist]

 ケイズデザインラボは2023年8月2日、JMCとの企業連携と、スリーディー・システムズ・ジャパンおよび3DiH(3D innovation Hub:JMC、原田車両設計、八十島プロシードの3社による企業連携体)との技術連携を通じ、中小製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる“3Dプリンタによる小ロット生産”を普及推進するプラットフォーム事業「デジタル製造プログラム」の進捗(しんちょく)報告会を開催。今後の展望を説明するとともに、同プログラムを通じてJMC本社(新横浜)に導入された「アジア最大規模」(同プログラム)をうたう量産対応3Dプリンタによるデジタル製造システムを初披露した。

写真左からJMC 代表取締役社長 兼 CEOの渡邊大知氏、ケイズデザインラボ DXコンサルティング事業部 デジタルアセットマネジメントチーム 取締役/プロデューサーの内田麻子氏、スリーディー・システムズ・ジャパン インダストリアルソリューショングループ セールスディレクターの並木隆生氏 写真左からJMC 代表取締役社長 兼 CEOの渡邊大知氏、ケイズデザインラボ DXコンサルティング事業部 デジタルアセットマネジメントチーム 取締役/プロデューサーの内田麻子氏、スリーディー・システムズ・ジャパン インダストリアルソリューショングループ セールスディレクターの並木隆生氏[クリックで拡大]

 2023年4月からスタートした同プログラムは、ケイズデザインラボが経済産業省の「令和元年度補正予算『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』」に採択されたビジネスモデル構築型補助事業によるものであり、3Dプリント技術を用いたデジタル製造/小ロット生産の導入を模索する中小製造業を対象に、データ制作からデジタル製造まで全てのフェーズを支援するプラットフォーム事業としての展開を目指す。同時に、中小製造業30社を対象にした3Dプリントによる小ロット生産のベンチマーク検証プログラムも実施する。

「デジタル製造プログラム」における各社の役割について 「デジタル製造プログラム」における各社の役割について[クリックで拡大] 出所:ケイズデザインラボ

 これまで3Dプリンタといえば、1点ものの試作品の製造が主たる用途であったが、近年の3Dプリンタの性能向上や使用できる材料の高機能化/多様化の進展は目覚ましく、従来の試作品の製造に加え、“実製品の小ロット生産”を実現する新たな製造方式として、3Dプリンタの存在価値がより一層高まってきている。

3Dプリント製造部品の意匠プリント例 3Dプリント製造部品の意匠プリント例[クリックで拡大] 出所:ケイズデザインラボ
ケイズデザインラボ DXコンサルティング事業部 デジタルアセットマネジメントチーム 取締役/プロデューサーの内田麻子氏 ケイズデザインラボ DXコンサルティング事業部 デジタルアセットマネジメントチーム 取締役/プロデューサーの内田麻子氏

 同プログラムでは、こうした転機に着目し、欧米と比べて遅れているといわれる日本の製造業における3Dプリント技術の活用を促進し、「射出成形に並ぶ新たな選択肢として、3Dプリンタによる小ロット生産の普及、金型レスのデジタル製造を推進する」(ケイズデザインラボ DXコンサルティング事業部 デジタルアセットマネジメントチーム 取締役/プロデューサーの内田麻子氏)。また、3Dプリンタの量産適用に伴う品質保証/品質管理の枠組みの整備に向けて、技術検証を進めるとともにQCD(品質/コスト/納期)手法の確立なども目指していく。

JMC 代表取締役社長 兼 CEOの渡邊大知氏 JMC 代表取締役社長 兼 CEOの渡邊大知氏

 デジタル製造に伴う3Dデータ作成や管理、データフォーマットなどの知見を有するケイズデザインラボが事業主体となり、長年3Dプリンタ事業を展開し、デジタル製造に精通するJMCを共同事業者として、両社で連携しながら3Dプリンタによるデジタル製造/小ロット生産に関する技術研究開発を推進。併せて、スリーディー・システムズ・ジャパンによる技術協力、デジタル製造団体である3DiHとの連携なども進めながら、3Dプリント製造をコアとするデジタル製造/小ロット生産を支援するプラットフォーム事業を展開していく。JMC 代表取締役社長 兼 CEOの渡邊大知氏は「これまで3Dプリンタブームや新規参入企業の台頭など、いろいろな動きがあった中で、今が3Dプリンタの“啓発期”だと捉えており、生産技術として『あれば便利』ではなく、『なくては困る』というレベルにまでもっていけるのではないかと確信している」と意気込む。

 同プログラムでは具体的に、デジタル製造に必要なデータ管理/受発注管理のためのプラットフォーム(データを扱う仕組み)の構築、3Dプリンタで造形するための技術とツール導入(データでモノを作る[試作/小ロット生産])の支援、そして、小ロットを超える規模の生産ニーズに対して3D製造を請け負えるバックアップ(製造支援)体制の整備を目指す。「単に『3Dプリンタを使っていきましょう』と号令をかけるだけでは普及していかないため、中小製造業がデジタル製造を自ら継続していけるようなサービスや体制を整備し、提供していくことが重要だ」(内田氏)。

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