ICOMAはイタリア・ミラノで開催の「サローネサテリテ」に出展し、ロボティクスコンパクトモビリティのコンセプトモデル「tatamo!」を披露した。通常のライディングだけでなく、スーツケースサイズに折りたたみ可能で自律走行にも対応。コミュニケーション機能も備え、暮らしに寄り添う新たなモビリティ体験を提案する。
工業デザイナーの生駒崇光氏が創業者/代表取締役を務めるICOMAは、2025年4月8~13日にイタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインイベント「ミラノデザインウィーク」を構成する家具見本市「ミラノサローネ」の併設展「サローネサテリテ」に出展し、コンセプトモデル「tatamo!」を披露した。
tatamo!は、同社が手掛ける箱型に変形する電動バイク「TATAMEL BIKE」の開発で長年培ってきた知見を生かし、生駒氏が温めてきた“ロボット×モビリティ×おもちゃ”のコンセプトを体現した新たなプロダクトだ。同社Webサイト内に特設ページ(英語)が公開されている。
同社は、tatamo!をロボティクスコンパクトモビリティとして位置付け、暮らしに寄り添う新たなモビリティ体験を提案する。
電動バイクのように利用できる「ライディングモード」と、スーツケースサイズに変形する「折りたたみモード」を備え、自律走行にも対応する。持ち主の後を追従したり、中央部の取り外し可能なキャリーケースに最大25l(リットル)の荷物を搭載してAGV(無人搬送車)のように運んだりもできる。キャリーケースを外すと、電動キックボードのような形状で使用することも可能だ。
本体サイズは、ライディングモード時で長さ1130×幅600×高さ93mm、折りたたみモード時で長さ584×幅350×高さ786mm。重量は30kg以下だ。
車両前面にディスプレイとカメラが搭載されており、tatamo!と目を合わせ、互いに表情で気持ちを伝える“アイコンタクト”によるコミュニケーションも行える。tatamo!の表情はディスプレイに映し出される(ライディングモード時はスピードメーターになる)。折りたたみモード時のコミュニケーションも可能で、室内でもインテリアに溶け込み、パートナーやペットのように寄り添ってくれるという。
本体に搭載されている「Intel RealSense」により、障害物回避に必要な高フレームレートかつ高精度な深度データを取得できる。工場や倉庫などでの走行支援の他、テレプレゼンスやロボティクス用途にも活用可能だという。また、取得した深度データは、デジタルツインによるエンターテインメント利用、機械学習の品質向上、顔認証の精度強化などに役立てられる。tatamo!は安全装備の搭載により、「安全運転支援や盗難検知、メタバースでの運転データ活用など、小型モビリティに新たな価値をもたらす」(同社)としている。
tatamo!の本体サイズは、日本の鉄道駅構内などにある一般的なコインロッカーの基準に合わせて設計されており、日本の公共交通機関での利用も可能。コインロッカーを活用したレンタルビジネスや狭小空間での運用など、モビリティを活用した新たな価値提案も狙う。
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