ガレージキットの世界と異分野交流実践3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(2)(1/3 ページ)

長年にわたりCADベンダでCADやPDMに携わり、いまではデザイン・製品開発の事務所を構える筆者が、3次元に関わるすべての人々にエールを送る! 面白コラム(編集部)

» 2011年02月18日 00時00分 公開
[水野操 ニコラデザイン・アンド・テクノロジー/3D-GAN,@IT MONOist]

 前回のコラムの最後に、第2回はデータとツールの相関関係について考えてみるといったのですが、早速気が変わってしまい、前回の続きのような内容をお話ししたいと思います。というのも、旬な話題は逃してしまうと書きづらくなってしまうからでして……。

違う人たちとどこで出会えばいいのか

 いままでどおりの仕事をしていては、先細りになるという危機感から本気でいままで関わりのなかった分野の人たちと、交流を始めるという動きはわたしがいまさらここでお話ししなくても、すでに始められている方も多いことでしょう。ただ、それがものになっている(つまり革新的でありながら、ちゃんと物事は進行している)ケースは必ずしも多くはないのではないでしょうか。

 物事がうまくいかない理由は数え上げればきりがないですが、主に2つあるのではと思います。1つは、単純にいままでとは違い、かつ意味のある交友関係を作る場所を見つけるのは簡単ではないこと。だいたいどこにそんな場所があるのかが、よく分かりません。結果として、だいたい、いままでの自分の世界の延長線上で関わりを始めることになります。それはそれで悪いことではありませんが、革新性という意味ではちょっと難しいのではないかと思われます。

 もう1つは、話題の共通性です。仮に首尾よくそういう場所を見つけても、まったくの異分野交流では共通の話題が見つからないことが多いという場合もあります。異業種交流会などに参加された方であれば、話題がうまく見つからず、なんとか趣味とか出身地とかで話題をつないだという方も少なくないのではないでしょうか? まあ、だから「3D」が話をつなぐというオチに持っていきたいのですが。

より身近なモノづくりと3Dが出合う場所

 製造業的な世界もガレージキットのような世界と相性がよいのではと感じられる場所が、実は意外に身近にあったりします。そんな場所の1つが「ワンダーフェスティバル」。ご存じの方はご存じと思いますが、ガレージキットや、フィギュア、食玩などの模型で知られる海洋堂さんが主催するガレージキットのイベントです。毎年、夏冬と2回開催され、2011年の冬は、さる2月6日の日曜日、幕張メッセで開催されました。詳しくは、ワンダーフェスティバルのホームページを見ていただきたいのですが、造形物の展示販売、フリーマーケット、生産の相談など、実にさまざまなアクティビティが起きているようです。もちろんコスプレーヤーさんたちも参加しています。

 で、このイベントには、3次元データをコアに業界の発展を目指す、3D-GAN(3次元データを活用する会)も数回続けて参加しており、今回も実際に売るものを持っている会員さん各社と合同で参加しています。というわけで、わたしも行ってまいりました。――え? ニコラデザインは出展していないのかって? 残念ながら、ワンダーフェスティバルに出展できるようなものを作っていないので……。

ALT 写真1 数多くのディーラーと参加者が多く盛況ぶりが分かる

 たった1日だけのイベントですが、毎回来場者数が4万人を割ることはないらしい、というのが、この世界の元気さを物語っていますね。写真1を見ていただくと、その盛況ぶりがよく分かるのではないかと思います。しかもこのホールが3つあるのです。

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