自分のフィギュアを作成できるサービス「瞬撮」。3Dスキャナを使って全身を3Dデータ化する一般的なサービスと何が違うのか? 筆者が身をもって体験してきた。立体になると見たくないものも客観的に見ることができる!?
いや〜、時間がたつのは早いですね。ついこの前、「夏だ〜っ!」て思っていたら、もう8月も終わりです。きっと、世の中の小学生たちは、自由研究や工作で大忙しでしょうね。
この夏、筆者が理事を務める「3D-GAN」でも数件の依頼をいただき、3Dモデリングと3Dプリンタを体験できる親子セミナーを各地で開催しました。
さて、そんな新しい体験をしてきた子どもたちに影響され、筆者も何か新しいことに挑戦してみようと思い立ち、“あるサービス”を使って自分のフィギュアを作ってみることにしました。
仕事の場面で、3Dスキャナを使ってデータ作りをすることはありますが、自分を撮るなんて嫌で仕方がありません。3Dスキャンしてまで、すっかり出てしまった自分のお腹を見たくはないですしね(笑)。
しかし、今回紹介するサービスは、3Dスキャナを用いた一般的な3Dスキャンではありません。たくさんのカメラで一度に同時撮影して3Dデータを作る手法を採用しているのです。現在のところ、フィギュアを作るサービスで、この方式を採用しているものは非常に少なく、基本的には3Dスキャナを使用するものがほとんどだと思います。
非接触式の3Dスキャナの場合、“とにかく時間がかかる”ことが欠点となります。歴史上の有名人の写真よろしく、撮影が終わるまで同じ姿勢を保ち続けなければなりません。そのため、じっとしていられない小さな子どもやペットなどの撮影はほとんど不可能というわけです。まぁ、大人だって一瞬で撮影が終わればそれに越したことはありません。
ということで、2014年7月某日、複数のカメラで3Dデータを作成してくれる「瞬撮」(“瞬殺”ではありません)というサービスを展開する東京リスマチックさんの「立体造形工房 神田」へお邪魔してきました(現在、立体造形工房は芝公園近くへ移転している)。
筆者は日ごろから東京リスマチックさんの出力サービスを利用していますが、瞬撮で訪問するのは初めてです。店舗入り口を目指して階段を下りていくと、たくさんの業務用3Dプリンタが並ぶ、あの場所ならではの「におい」がしてきて、胸が高まります(なんのこっちゃ!?)。
さて、ここで読者の皆さんに一点お断りがあります。本当は、撮影ブースをはじめ、紹介したいものがいくつかあったのですが、残念ながら「撮影禁止」。ノウハウが詰まっているとのことで撮影の許可がもらえませんでした。「それでも何とか!」と懇願し、辛うじて許可をいただけたのが今回の取材内容です。撮影ブースの現物をご覧になりたい方は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。図3の写真は、今回取材に対応してくれた東京リスマチックの兼松さんと「撮影禁止」の張り紙(笑)。
予約時間通りに、立体造形工房を訪れると、お店の奥に設置されている撮影ブースの方へと案内されました。撮影ブース自体はかなり大きなものですが、遮光のため覆いで囲まれており、外からは中の様子がよく分かりません。準備が整うまで待つこと5分。その間、造形サンプルを見せてくれたり、パンフレットを使ってサービスの説明をしてくれたりしました。
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