今回は「滑らか」とは一体どういうことか詳細に解説します。G1やG2、NURBSなど3次元CADを使っているとよく出てくる単語についても説明します。
最近、何かのソフトの「使ってみた」系が多かったので、今回は、今一度基本的なところを振り返ってみることにしました。ということで、今回のお題は「滑らかって何だ!?」です。もっと具体的に言うと、「曲線や曲面の滑らかさのお話」です。
「3次元CADでのモデリング」と一口に言っても、機械部品などが中心であれば、押し出し、回転が基本的なところで、それにフィレットや面取り、シェルにリブなどのフィーチャーを使ってモデリングをすることが多いと思います。工業デザイナーの皆さんと違って、いわゆる「曲面の品質」を意識することはあまりないかもしれません。
道路にたとえて「滑らかさ」を考えてみましょう(図1)。
図1の左・右上のように離れていたり、折れ曲がっていたりすると、これは当然滑らかにつながっていると思う人はいないと思いますが、図1の下のような道路だったらどうでしょうか? この道路は滑らかなのでしょうか?
このままではちょっとよく分からないと思います。そこで、何らかの形で「滑らかさ」を表現しなければなりません。そこでいくつかのキーワードが登場します。その一例が「G1」とか「G2」とかいう言葉です。曲線や曲面をあまり意識しない人でも、3次元CADを使っていれば、どこかで聞いたことがあると思います。G1とかG2というのは、端的にいえば、「滑らかさを表すキーワード」ですね。滑らかさを表すキーワードは他にもあって、それが「接線連続」や「曲率連続」、「ねじれ率」や「接触平面」というものです(図2)。
Gは、G0から始まってG1、G2と数字が大きくなればなるほど滑らかになる、ということです。これらの数値を、他のキーワードと合わせて使うとこのようになります(図3)。
もう少し詳しく見てみましょう。
まず、G0で表される「位置連続」ですが、これは曲線Aと曲線Bがあった時、この2つの線の端点の位置が一致している時、位置連続であると言います。図4を見てみれば、まあ、それはそうですよね、という感じで理解しやすいと思います。
でも、G0では「この位置が連続している」という以上の連続性はありません。実際のものの形で見てみれば、それは「エッジのように角が立っている」状態でしょうか。確かにつながってはいますが、後はカクっと不連続ですものね。
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