本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第12回のお題は、文房具の定番商品の1つ「テープディスペンサー」です。
本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、磁石の付いた釣り竿で魚を釣り上げる玩具「魚釣りゲーム」の仕組みを取り上げました。
連載第12回となる今回は、文房具の定番商品の1つである「テープディスペンサー」を取り上げます(図1)。
言うまでもなく、「セロハンテープ」に代表される薄いフィルム状のテープを、任意の長さにカットするための道具です。「テープカッター」と呼ばれることもあります。「使ったことがない!」という人は恐らくいないでしょう。100円均一ショップでも、非常に多くの商品が並んでいました。
「ディスペンサー」とは、テープを除いた本体部分のことで、テープをカットするためのカッター刃と台座で構成されるベース部を指します。100円均一ショップで販売されている商品の多くはミニサイズで、小径のセロハンテープとセットになっているものがほとんどだと思います。
普段、当たり前のように使っているテープディスペンサーですが、テープをスムーズにカットできる仕組みについて考えたことはあるでしょうか。これって、よくよく考えてみると実はすごいことなのではないでしょうか? 今回はその仕組みについて、一緒に深掘りしていきましょう。
テープディスペンサーの部品構成は非常にシンプルで、主に以下の部品から成り立っています(図3)。シンプルだからこそ、それぞれの部品が明確な“役割”を持って設計されていることが分かります。
テープディスペンサー全体を支える土台となる部品で、使用時の操作性を大きく左右します。100円均一ショップで販売されている商品では、軽量なプラスチック製のものが主流で、テープを挟み込むような2つのパーツで構成されているものが多く見られます。今回、筆者が手に入れた商品もこのタイプに該当します。
テープを装着するための軸の部分です。今回取り上げる商品では、本体とローラー部が一体に成形されています。
テープをカットするための部品であり、主にプラスチック製と金属製の2種類が存在します(図4)。
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