本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第11回のお題は、ゼンマイで動き、磁石で魚を釣り上げる玩具「魚釣りゲーム」です。
本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」の仕組みを取り上げました。
連載第11回となる今回は、磁石の付いた釣り竿で魚を釣り上げる玩具「魚釣りゲーム」を取り上げます(図1)。
ぐるぐると回る台の上で魚たちが次々と口を開き、磁石の付いた釣り竿でうまく釣り上げるという、シンプルながらも大人でもつい夢中になってしまう遊び心にあふれた玩具です。以前紹介した「ハンマーバトルゲーム」と同様、子どもの頃に遊んだ記憶のある方も多いのではないでしょうか?
あらためて、詳しく観察してみると、「たった100円でここまで動くの!?」という驚きとともに、「この動き、どう作っているの?」という“設計の妙”に気付かされます。
この魚釣りゲームの主な構成部品は図3の通りです。全体として、構成部品は非常に少なく、シンプルな構造で成り立っていることが分かります。
ABSまたはPP製の樹脂成形品です。回転盤や内部のゼンマイ機構を収納しています。また、中心部から少し離れた位置に傾斜形状が2箇所設けられています。
魚パーツを取り付ける円盤です。魚パーツが収まる穴があります。
口が開閉するギミック付きの可動部品です。下部に簡易的な軸構造があります。
魚の口の内側に取り付けられた磁石反応用のパーツです。
樹脂製で、先端に仕込まれた磁石によって、魚パーツの金属片を吸着します。
回転盤を回すための動力源です。本体側面のツマミでゼンマイバネを巻きます。
ゼンマイを押さえるためのプレートです。
それでは、動作の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
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