口をパクパクさせながら泳ぎ回る魚を釣る「魚釣りゲーム」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(11)(1/3 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第11回のお題は、ゼンマイで動き、磁石で魚を釣り上げる玩具「魚釣りゲーム」です。

» 2025年06月11日 06時00分 公開

こんな人にオススメの記事です!

100円均一でモノの仕組みを考える
  • モノの仕組みや構造、分解に興味がある方
  • 設計スキルの向上を図りたい方
  • 自社製品の差別化/競争力アップを目指したい方

 本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」の仕組みを取り上げました。

テーマ11:魚釣りゲーム

 連載第11回となる今回は、磁石の付いた釣り竿で魚を釣り上げる玩具「魚釣りゲーム」を取り上げます(図1)。

今回のお題「魚釣りゲーム」のイメージ 図1 今回のお題「魚釣りゲーム」のイメージ[クリックで拡大] 出所:iStock/Arnanzung

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今回筆者が手に入れた「魚釣りゲーム」 図2 今回筆者が手に入れた「魚釣りゲーム」[クリックで拡大]

 ぐるぐると回る台の上で魚たちが次々と口を開き、磁石の付いた釣り竿でうまく釣り上げるという、シンプルながらも大人でもつい夢中になってしまう遊び心にあふれた玩具です。以前紹介した「ハンマーバトルゲーム」と同様、子どもの頃に遊んだ記憶のある方も多いのではないでしょうか?

 あらためて、詳しく観察してみると、「たった100円でここまで動くの!?」という驚きとともに、「この動き、どう作っているの?」という“設計の妙”に気付かされます。


魚釣りゲームの部品構成

 この魚釣りゲームの主な構成部品は図3の通りです。全体として、構成部品は非常に少なく、シンプルな構造で成り立っていることが分かります。

「魚釣りゲーム」の部品構成 図3 「魚釣りゲーム」の部品構成[クリックで拡大]

本体ベース

 ABSまたはPP製の樹脂成形品です。回転盤や内部のゼンマイ機構を収納しています。また、中心部から少し離れた位置に傾斜形状が2箇所設けられています。

回転盤(ターンテーブル)

 魚パーツを取り付ける円盤です。魚パーツが収まる穴があります。

魚パーツ

 口が開閉するギミック付きの可動部品です。下部に簡易的な軸構造があります。

金属片

 魚の口の内側に取り付けられた磁石反応用のパーツです。

釣り竿

 樹脂製で、先端に仕込まれた磁石によって、魚パーツの金属片を吸着します。

ゼンマイ

 回転盤を回すための動力源です。本体側面のツマミでゼンマイバネを巻きます。

ゼンマイ押さえ

 ゼンマイを押さえるためのプレートです。

 それでは、動作の仕組みについて詳しく見ていきましょう。

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