本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第10回のお題は、さまざまな用途で使われる身近な防犯グッズ「南京錠」です。
本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、ハンマーでたたいて相手の人形の頭を飛ばして遊ぶ、2人用対戦玩具「ハンマーバトルゲーム」の仕組みを取り上げました。
連載第10回となる今回は、さまざまな用途で使われる身近で手軽な防犯グッズの代表格「南京錠」を題材に取り上げます(図1)。
南京錠は、「シャックル」と呼ばれるU字型の金属部分をはめ込んで施錠する、持ち運び可能な錠前です。鍵を使って開けるタイプ(鍵式)の他、ダイヤルを合わせて開けるダイヤル式、ボタンを押して開ける押しボタン式などの種類もあります(図2)。ちなみに南京錠という名称は、中国の南京で作られていたことに由来しているそうです。
今回は「鍵式」と「ダイヤル式」それぞれの仕組みについて、詳しく見ていきます。
まずは、一般的な鍵を使うタイプ(鍵式)の南京錠から見ていきましょう。
南京錠にはいくつかの種類がありますが、最も一般的なものが鍵式の南京錠です。ダイヤル式や押しボタン式の南京錠とは異なり、鍵を使って物理的に開け閉めするため構造がシンプルで信頼性が高いのが特長です。シリンダーを鍵で回して施錠/解錠することから「シリンダー式」とも呼ばれています。
鍵式南京錠は、次のような部品で構成されています(図3)。
U字型の金属製ロック部分です。ここが引き抜けることで解錠されます。
錠前の中心部分で、内部に鍵穴やピンが格納されています。
鍵を差し込む部分で、内部にピンが並んでいます。
上ピン/下ピンがスプリングで押されており、正しい鍵が入るとそろいます。
ピンを押し上げるバネです。
ピンがそろったときにだけ動作し、シャックルをロック/解除します。
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