富士通は、PCのサービス部品の管理プロセス最適化を目的とし、PTCが展開するSLMソリューションを導入した。アフターサービス部品の一元管理や在庫低減などを目指すという。
富士通は2014年3月19日、PC部門のアフターサービスにおける効率化を目的とし、PTCが展開するSLM(サービスライフサイクルマネジメント)ソリューションを導入した。
SLMとは、アフターサービス部門におけるPLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)で、アフターサービス情報と製品設計・開発情報の一元管理や、アフターサービスに求められるパーツ管理など、サービス情報の最適な管理とフィードバックを実現するシステムのこと。導入企業が顧客に対して提供するサービスのサイクルを完成させることができる。
富士通のPCビジネスでは、生産においてはトヨタ生産方式の採用やICTの活用などで効率化を進めてきたもののアフターサービスについては、国内および海外の各拠点でサービス部品の運用・管理を個々に実施していた状態だった(関連記事:富士通のPC工場、勝利の方程式は「トヨタ生産方式+ICT活用」)。そのため、高精度の需要予測が難しく、在庫の安定化や、タイムリーな部品供給が困難な状況になっていたという。
これらの問題に対応するため、新たに、国内および海外での在庫計画業務の統一を進めるとともに、グローバルでの在庫一元管理、オペレーションの一元化を目指し、PTCのSLM「PTC Service Parts Management」ソリューションの採用を決めた。
PTC Service Parts Managementは、主に以下の取り組みを支援する。
新ソリューションの導入により、富士通では、拠点における在庫予測精度を高め、保守部品の棚卸資産の削減を進めていく方針だという。対象拠点は日本、米国、アジア圏で、取扱部品数は月間約5万点。即納率を維持しつつ在庫の16%削減を目指す。
PTCでは、2012年に米Servigistics(サービジスティクス)を買収したことでSLM事業に本格的に取り組み始めた。2013年からは年次ユーザーイベントでサービス部門を対象とする「PTC Live Service Exchange」を開催した他、アフターサービス分野のソフトウェア開発ベンダーである米Enigma(エニグマ)を買収するなど、事業強化を進めている(関連記事:PTCが米エニグマを買収――SLMをさらに強化)。
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