化学品メーカー向けERP導入で基幹刷新、ロットトレースと原価計算を強化製造IT導入事例

NECネクサソリューションズは、イチネンケミカルズに化学品メーカー特有の業務に対応したERPシステム「EXPLANNER/NX」を導入した。基幹システムを全面刷新し、精緻な原価計算と高精度のロットトレースを可能にした。

» 2025年11月06日 10時00分 公開
[MONOist]

 NECネクサソリューションズは2025年10月10日、イチネンケミカルズに化学品メーカー特有の業務に対応したERPシステム「EXPLANNER/NX」を導入し、基幹システムを全面刷新したと発表した。新システムで業務プロセスを標準化および効率化し、精緻な原価計算と高精度のロットトレースを可能とする、現場と経営をつなぐ強固で柔軟な基盤を構築した。

 イチネンケミカルズは、価格競争力や付加価値向上を課題に、300社超のサプライヤーと協業してきた。一方、稼働から15年以上の基幹システムは機能性や柔軟性、処理能力が不足していた。化学品製造ではレシピ管理、荷姿に応じた在庫、投入実績、誤出荷対応、精緻な原価計算など固有要件がある。これらに対応するため「EXPLANNER/NX」を新基幹として採用した。

 導入後は、生産管理体制とリスク管理を再設計。見込み生産と受注生産を一元管理し、全製品を対象にMRP(資材所要量計算)を運用して発注漏れを防止した。受注生産も同一MRPで処理し、発注業務を効率化した。ハンディターミナルで荷受け、製造、出荷の情報を即時に集約し、スマートかつ精緻なロット管理を可能にした。

 部門ごとのフローを統一し、直送品は自動発注でリードタイムを短縮。在庫、債権、債務、輸出入なども標準化した。月次決算は並行処理により締め日を4営業日から3営業日に短縮し、経営判断に必要なデータの早期把握を可能にした。

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