YKKがパナソニックの住設事業を買収、2035年度に売上高1兆5000億円目指す製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

YKKとパナソニック ホールディングスは、パナソニックグループの住宅機器や建材事業を担うパナソニック ハウジングソリューションズに関する株式譲渡契約を締結したと発表した。

» 2025年11月19日 08時30分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 YKKとパナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)は2025年11月17日、東京都内とオンラインで記者会見を開き、パナソニックグループの住宅機器や建材事業を担うパナソニック ハウジングソリューションズ(以下、PHS)に関する株式譲渡契約を締結したと発表した。同契約により、YKK傘下のYKK APとPHSが戦略的パートナーシップを結び、両者の強みを融合させた建築資材/住宅設備業界の未来をけん引する企業を目指していく。

YKKの堀秀充氏(左)とPHSの山田昌司氏(右)

 同契約によって、パナソニックHDが現在所有しているPHS株式のうち80%をYKKが設立する中間持株会社が取得し、PHSがYKKのグループ会社に加わる形になる。YKKによるPHS株式の取得金額は非公開。同契約締結後は2026年3月末に譲渡手続きが完了し、2026年4月から新体制での事業開始を予定している。

 YKK 取締役(グループ建材総括) YKK AP 代表取締役会長の堀秀充氏は「新たに設立した中間持株会社の下にYKK APを配置する予定である。これは、両社を並列として考えて互いのシナジーを最大化するという大きな目標のためだ。中間持株会社には、新たな企画部門や新規事業を創出できるような部門を置き、今までに無かった価値やサービスを提供していきたい」と語る。

株式譲渡契約締結による各社の関係について[クリックして拡大]出所:YKK、PHS

 YKK APとPHSがそれぞれ持つ製品群の強みを組み合わせることにより、住宅の建築資材や設備の約8割をカバーできるようになる。業績の目標としては、2024年度のYKK APとPHSの売上高合計額1兆411億円に対して、2035年度に約44%増となる売上高1兆5000億円の達成を目指している。「今後は特に海外展開を加速していきたい。現状は海外売上高の比率が低いので、大きなチャンスがあると思っている」(堀氏)。

事業目標について[クリックして拡大]出所:YKK、PHS

 実際に、両社は連携によって海外売り上げを大きく伸ばす余地があると考えている。YKK APが保有する12カ国の拠点をベースにし、地域ごとのニーズに対応した戦略的な生産/供給体制の構築を目指していく。PHS 代表取締役 社長執行役員の山田昌司氏は「われわれの商材である温水洗浄便座に加えて、当社のグループ会社であるケイミューが作る窯業系サイディング(外装材)をYKK APの海外拠点で展開し、事業拡大の加速を図っていく」と述べる。

海外市場の狙い[クリックして拡大]出所:YKK、PHS
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