キヤノンは、医療機器の子会社であるキヤノンメディカルシステムズ(キヤノンメディカル)の日本国内における販売/修理/保守を除く全ての事業を、簡易吸収分割によってキヤノン本体に承継することを、同日開催の取締役会で決議したと発表した。
キヤノンは2025年12月24日、医療機器の子会社であるキヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノンメディカル)の日本国内における販売/修理/保守を除く全ての事業を、簡易吸収分割によってキヤノン本体に承継することを、同日開催の取締役会で決議したと発表した。併せて、同日付でキヤノンメディカルとの間で吸収分割契約を締結したことも明らかにした。簡易吸収分割の効力発生日は2026年4月1日を予定している。
今回の吸収分割は、メディカル事業をキヤノンの柱の一つにすべく、事業構造改革/体制強化を行い、高収益と高成長を実現することを目的としている。これまで、キヤノンとキヤノンメディカルの2社体制で展開してきたメディカル事業を一体化させることで、キヤノンの技術と品質管理やコストダウンのノウハウを最大限活用できる体制を構築し、開発/製造/管理などの全てのオペレーションを見直して収益性改善を図るとともに、安定した成長が見込まれるメディカル関連市場での事業拡大を目指す方針である。
一方、キヤノンメディカルは、これまで培ってきた顧客との関係性をより緊密にすべく、日本国内におけるメディカル事業の販売/サービス会社として事業を継続することになる。
キヤノンが承継するのは、キヤノンメディカルが営む事業(医療用機器、医薬品、医療情報システム、画像情報システムおよびこれらの周辺機器またはこれらに附帯もしくは関連するサービスの設計、開発、製造、販売、修理、保守および輸出入事業)のうち、日本国内の販売/修理/保守を除く全ての事業となる。
キヤノンメディカルの前身は2016年にキヤノンが東芝から買収した東芝メディカルシステムズである。同社は、東京電気が1914年にX線管の研究に着手して以来、MRIやヘリカルCTをはじめ世界初や日本初となる画像診断装置を多数開発してきた歴史を持つ。キヤノンによる買収を受けて2018年1月に現在のキヤノンメディカルに社名を変更した。今回の吸収分割によって、独立会社としての医療機器メーカーの歴史に終止符が打たれることになる。
また、今回の体制変更に合わせて、キヤノンメディカルは2026年4月1日時点での取締役候補者と役員人事を内定したと発表している。同社 代表取締役社長の瀧口登志夫氏は代表取締役会長となり、新たな代表取締役社長には執行役員常務でIVD事業統括部長を務める堀雄彦氏が就任する。
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