ニデックの会計不正の温床となった6つの原因とは? 改善計画を公表製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

ニデックは、グループ会社の不適切会計に対する「改善計画・状況報告書」を公開し、東京証券取引所へ提出した。

» 2026年01月29日 06時30分 公開
[三島一孝MONOist]

 ニデックは2026年1月28日、グループ会社の不適切会計に対する「改善計画・状況報告書」を公開し、東京証券取引所へ提出したと発表した。ただ、第三者委員会による調査はまだ継続中だとしている。

 ニデックでは、海外子会社複数社による不適切会計により、有価証券報告書提出の延期や配当決定の延期などがあり、2025年10月28日に東京証券取引所から特別注意銘柄の指定を受けた。

 また、一連の不正を正す動きの中で2025年12月19日には、創業者で代表取締役 取締役 グローバルグループ代表(取締役会議長)の永守重信氏が辞任している(非常勤の名誉会長に就任)。

 これらに対し、ニデックでは、内部管理体制等の抜本的な改善を目的として、改善計画・状況報告書を作成し、東京証券取引所に提出した。ただ、2025年9月3日に設置した第三者委員会による調査はまだ継続しており、今回の改善計画・状況報告書には、その調査結果の内容は含まれていない。

ニデックの不正の温床となった6つの原因

 改善報告書では問題の概要や経緯などが紹介されているが、原因分析や改善措置の説明に多くのページ数を割いている。報告書で原因だと指摘されたのは以下の6点だ。

  1. 成長を示し続けるための過度な株価至上主義
  2. 短期的な利益を最優先し、目標未達を許容しない企業風土
  3. 元代表の意向を優先する風土
  4. ガバナンスの脆弱性
  5. 内部統制の脆弱性
  6. グループ会社管理体制の脆弱性

 1つ目〜3つ目までは主に、前グローバルグループ代表の永守氏を起点とした厳しい目標達成へのこだわりへのプレッシャーとそれを当然としている企業風土を問題視している。

 例えば「成長を示し続けるための過度な株価至上主義」についての項目では、以下のような点が説明されている。

 当社においては、元代表のものの考え方や行動の仕方をまとめた冊子「挑戦への道」にもある「3K(高成長、高収益、高株価)」を常に成立させることが経営の基本姿勢になっており、その指標として株価が重要視されていました。

 また、2018年以降の社長後継候補者選びにおいても、株価が「経営者の成績表」としてより強調され、経営の指標とされてきました。

 株価が従前よりも低迷するようになると、株価回復を目指して、社内の利益目標は市場からの期待を意識した基準によりトップダウンで設定されるようになり、その達成のために、当社の一部の経営陣が事業本部・国内グループ会社にそれぞれの利益目標を割り当て、これらの利益目標が公表される事業計画の基礎となるという仕組みがより強化されるようになりました。

 さらに、ここで設定された目標の達成が難しいとなると、現場に厳しいプレッシャーがかけられていたという。

 利益目標を達成するために当社の一部の経営陣による過度な業績管理も行われてきました。目標の達成に向けた月次の確認に加え、目標が未達成になる可能性がある場合、一日に数回、繰り返し会議が実施され、日次の進捗管理や目標数値達成に向けた確認が行われました。

 そして、一日の会議のうちの最後の回は深夜に設定され、目標達成のめどを立てることができるまで厳しく対策の立案を求められるなど、過度なマイクロマネジメントが行われることもありました。

 また、目標が未達となった事業の幹部は直接口頭またはメール等で名指しで非難されることもありました。

 また、その背景として、元代表の永守氏に権限が集中する一方で、組織としての牽制(けんせい)が効かない状態となっていたとしている。

 周囲が元代表に権限が集中していると見なしたことにより、「元代表の意向を優先する風土」が、ガバナンスや内部統制の脆弱性の原因となって、本事案を生じさせる事態につながったと分析しています。

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