三菱電機は、中東を中心に昇降機事業を展開するAG MELCO Elevatorを完全子会社化した。経営資源を一体化し、ビルシステム事業の競争力強化と事業運営効率化を図る。
三菱電機は2025年11月21日、中東地域で昇降機の販売、据付、保守、リニューアルを手掛けるAG MELCO Elevatorの全株式を取得し、完全子会社化したと発表した。
Al Ghurair Investment傘下のRawafed Almustaqbal Groupが過半を保有していたが、同月19日に三菱電機グループが全株式を取得。三菱電機と三菱電機ビルソリューションズ(MEBS)は、重点事業であるビルシステム事業のグローバル展開を強化しており、今回の子会社化を経営基盤強化の重要なステップと位置付ける。
AG MELCO Elevatorは、1975年の設立以来、中東、南アジア、アフリカ、中央アジアなど21カ国で昇降機事業を展開してきた。主要ランドマーク案件を多数手掛け、他社製品にも対応できるマルチブランド保守で技術力とノウハウを蓄積している。完全子会社化により意思決定を迅速化し、MEBSとの連携による販売戦略の強化や保守、リニューアルの拡大を図る。特に今後成長が期待されるアフリカ地域では、未進出国への拡大に向けた戦略拠点として活用する。
三菱電機とMEBSは、2030年度に保守契約台数150万台を目指すストックビジネス拡大を重点施策としており、グループ内の資本最適化やマルチブランド保守体制の強化を進めている。AG MELCO Elevatorの技術とネットワークを他地域にも展開することで、ビルシステム事業全体の成長加速につなげる考えだ。
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