AIインフラ需要が想定超え パナソニックHDの第1四半期営業利益が過去最高達成製造マネジメントニュース

パナソニックHDは、2027年3月期第1四半期の連結業績を発表した。AIインフラ関連需要、データセンター関連需要が好調を持続し、第1四半期としては営業利益、調整後営業利益で過去最高の実績となった。

» 2026年07月31日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2026年7月30日、2027年3月期(2026年度)第1四半期の連結業績を発表した。

第1四半期としては過去最高の営業利益を達成

 パナソニックHDの2026年度第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比6%増の2兆189億円、調整後営業利益が同104%増の1864億円、営業利益が同110%増の1825億円、税引き前利益が同108%増の1889億円、当期純利益が同89%増の1352億円となった。第1四半期としては営業利益、調整後営業利益で過去最高の実績となったという。

photo パナソニックHD 取締役 執行役員でグループCFOの和仁古明氏

 パナソニックHDでは「AI(人工知能)インフラ」と「ソリューション」という2つを成長領域と位置付けているが、大きな成長を見せているのがAIインフラ領域だ。パナソニックHD 取締役 執行役員でグループCFOの和仁古明氏は「AIインフラ関連事業に加え、データセンター需要の恩恵を受ける周辺事業が想定以上に伸長した」と手応えについて語っている。

 AIインフラ領域では、以前から取り組んできた、パナソニック インダストリーのAI向け多層基板材料や、導電性高分子コンデンサー、パナソニック エナジーのデータセンター向け電源システムなどが想定通りに進捗した。さらに、データセンター向けサーバなどの製造に関する実装装置やFAソリューションなどにも波及し、全セグメントで増益となった。

photophoto パナソニックHDの2026年度第1四半期連結業績(左)とセグメント別業績(右)[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

AIインフラおよびデータセンター向け需要に対応し供給体制も強化

 パナソニック インダストリーのAI関連事業の売上高は、前年同期比1.4倍となる749億円となった。これに伴い、年間見通しも期初の目標だった2700億円から3100億円に引き上げている。これらの旺盛な需要に対応するため、供給体制の強化にも取り組む。多層基板材料については、調達先の複線化や中長期契約を進める。導電性高分子コンデンサーについては、生産能力の拡大を前倒しする。国内では佐賀工場と熊本工場の能力を拡大するとともに、海外ではマレーシア工場、インドネシア工場の拡大を進める。

 また、新たに開発を進めているスーパーキャパシターについては、パナソニック エナジーとの協業で進めるAIサーバ向けのCBU(Capacitor Backup Unit)に加え、外販向けデバイスも展開する。2026年度中に千歳工場で量産開始予定だとしている。

photo パナソニック インダストリーのAI関連事業の動向[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 パナソニック エナジーのデータセンター向け売上高は、前年同期比1.9倍となる1130億円に成長。年間では前年比1.7倍となる5500億円まで伸びる見通しを示す。これらの需要の伸びに合わせて、供給体制の強化も急ピッチで進めている。モジュールについては、国内で順次ラインを新設し、生産能力を増強している他、海外ではメキシコで第2工場、第3工場での量産を新たに計画する。セルについては、国内では住之江工場の車載ラインを切り替えて2026年4月から出荷を開始。順次車載ラインの切り替えを進めていく。また、北米では、2028年度にカンザス工場にデータセンター向けのラインを導入する計画だ。

 パナソニック インダストリーとの協力で進めるCBUについては、2026年度に量産を行う。さらに、直流高電圧BBU(Battery Backup Unit)も2026年度中に量産準備を完了するなどラインアップ拡充を目指す。

photo パナソニック エナジーのデータセンター関連事業の動向[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

通期業績を上方修正し、過去最高益の見通し

 これらの好調に加え、パナソニック コネクトの実装機事業も、AIサーバを含むデータセンターを中心に旺盛な設備投資が継続しており、しばらくは好調を維持すると見られている。さらに、パナソニック インダストリーのFAソリューションについても、データセンター需要拡大に伴い半導体製造設備を中心に好調な需要が続く見込みだ。和仁古氏は「これら周辺領域の好調な需要についても、一時的なものではなく中長期で続くものだと見ている。全体的に想定よりも良い状態が続いている」と述べている。

 これらを受け、2026年度通期の業績見通しも、売上高、各種利益ともに上方修正した。これにより、調整後営業利益、営業利益、純利益ともに過去最高となる見込みだという。

photophoto パナソニックHDの2026年度通期業績見通し(左)とセグメント別業績見通し(右)[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

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