パナソニック ホールディングス グループCEOの楠見雄規氏が、「CES 2025」のオープニングキーノートに登壇した。本稿では、このオープニングキーノートとパナソニックブースの展示内容を前後編に分けて紹介する。
パナソニック ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 グループCEOの楠見雄規氏は2025年1月7日(現地時間)、エレクトロニクスを中心とした最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」(2025年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)のオープニングキーノートに登壇し、AIを含むソフトウェアを大幅に強化する方針を示した他、脱炭素や資源循環などのサステナビリティに積極的に取り組む姿勢を示した。
本稿では、オープニングキーノートと展示ブースの内容を基に、前編ではAI(人工知能)およびソフトウェア戦略、後編では環境対策をテーマに同社の取り組みを紹介する。
パナソニックグループは1967年に開催された第1回のCESから出展を続けている数少ない企業だ。その中で、CESでパナソニックグループがオープニングキーノートに登壇するのは、2013年の津賀一宏氏(現パナソニック ホールディングス取締役会長)以来12年ぶりとなった。
オープニングキーノートでは、パナソニックグループの100年を超える歴史を振り返るとともに、創業者の松下幸之助氏が取り組んできた数々のイノベーションや、「250年計画」とされる物と心の豊かさの実現に向けて、250年を25年ごと(節)に区切って革新に取り組む思想などについて紹介。2032年から始まる5節目に向かう中で新たな革新の切り口としてAIとソフトウェアを挙げ、AIを活用したビジネスへの変革を推進するグローバルな企業成長イニシアチブ(先駆的な取り組み)として「Panasonic Go(パナソニック ゴー)」を展開することを発表した。
パナソニックグループでは業務効率化のために大規模言語モデル(LLM)によるAIアシスタントサービス「PX-AI」を約18万人の従業員に導入した他、提供する製品やソリューションの中でのAI活用も推進している。
さらに、楠見氏は「既に北米ではBlue Yonder(ブルーヨンダー)やPanasonic Wellなども含めて既にAIに関する投資を100億米ドル以上行っている。このようにPanasonic Goを推進する中で、パナソニックグループ全体でも新たなコミットメントが必要だと考えた。2035年までにAIを活用したハードウェアやソフトウェア、ソリューションによる事業の売上高を、パナソニックグループ全体の30%まで引き上げる」と宣言した。
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