三井不動産がデータセンターに6000億円超投資、物流の枠超え「産業デベロッパー」へ製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

三井不動産は事業説明会で「産業デベロッパー」への領域拡大を発表した。従来の物流拠点供給にとどまらず、研究開発施設や自動運転対応を進める。データセンター事業には累計6000億円超を投じ、稼働済みの3棟に加え7棟を開発中だ。

» 2026年07月24日 06時15分 公開
[安藤照乃MONOist]

 三井不動産は2026年7月23日、東京都千代田区でロジスティクス事業記者説明会を開催した。同社が強みとしてきた物流拠点の展開が成熟期を迎える中、今後は研究開発施設やデータセンターの開発、自動運転トラックに対応したオペレーション構築にも携わる「産業デベロッパー」へと領域を広げ、産業インフラ全体を支援する方針を示した。

 ロジスティクス事業は、今後も年間6〜8物件を新規供給するペースを維持する方針だ。2026年6月末時点で竣工済みと開発中物件を合わせて計88物件、総延床面積は約630万m2を有し、累計総投資額は約1兆4000億円に達している。

データセンター事業拡大へ累計投資6000億円超、インド展開も

 三井不動産が重点領域の1つとして示すのが、データセンター事業の拡大である。生成AI(人工知能)やクラウドサービスの利用拡大に伴い、社会インフラとしてのデータセンター需要が強まっている。三井不動産は2012年以降、首都圏を中心にデータセンター開発を進めており、これまでに3棟が稼働済み、累計投資額は3000億円を突破した。現在は関東多摩エリアや関西北摂エリアを含む7棟の開発が進行中であり、2035年度までに累計6000億円超を投資する計画を掲げる。

産業デベロッパーとしての取り組み 産業デベロッパーとしての取り組み[クリックで拡大] 出所:三井不動産
データセンター事業のさらなる拡大 データセンター事業のさらなる拡大[クリックで拡大] 出所:三井不動産
三井不動産の涌井耕人氏 三井不動産の涌井耕人氏

 三井不動産 ロジスティクス本部 ロジスティクス事業部長の涌井耕人氏は、「今後はさらなる投資の積み増しや、別エリアへの拡大も検討に入っている。都心型やコンテナ型などの多様なデータセンター形態を取り入れながら、社会受容の変化に対応する」と語った。

 同社のデータセンター事業の差別化要因について涌井氏は、「デベロッパーの知見を生かした用地取得から行政、地域住民との合意形成に至る総合力にある」と語る。データセンターはその規模や性質上、周辺住民から環境への影響や圧迫感に対する懸念が示されるケースがある。涌井氏は、「地域と対話を重ねながら街の価値や環境を高める計画を作り込むノウハウは、単なる物流事業部だけのノウハウではなく、住宅や商業施設、オフィスなどを手掛ける総合デベロッパーとして培った全社的な知見であり、これが地域との合意形成や事業推進における差別化となっている」と強調した。

国内外の物流/データセンター事業者との関係強化 国内外の物流/データセンター事業者との関係強化[クリックで拡大] 出所:三井不動産

 また、三井不動産は国内外の物流/データセンター事業者との関係強化を進めている。特にテック企業の投資先として注目されるインドでの展開を重視しており、2026年5月にはムンバイ、チェンナイ、ハイデラバードの3都市における総発電容量約200MW規模のデータセンタープロジェクトへの参画を発表した。タイやマレーシアなどのアジア圏も含め、継続的な事業機会の検討を進める方針だ。

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