パナソニック エナジー 社長執行役員 CEOの只信一生氏が報道陣の合同取材に応じ、2026年6月に開催した「Panasonic Group Investor Day 2026」で発表した、AIデータセンター向けの事業における取り組みの詳細や考えについて説明した。
パナソニック エナジーは2026年9月10日、東京都内において同社 社長執行役員 CEOの只信一生氏への合同取材に応じ、2026年6月に開催した「Panasonic Group Investor Day 2026」で発表した、AI(人工知能)データセンター向けの事業における取り組みの詳細や考えについて説明した。
パナソニック エナジーは自社の強みを進化させ、「ソリューション提案力」と「供給力」で事業の再跳躍を進めている。安全な電池を核とした電源システムを提供するデータセンター向け電源ソリューションプロバイダーを目指している。只信氏は「われわれの強みは高度化する顧客課題への先行的なソリューション提案と、需要の変動に応える柔軟な供給力である。これらの強みを生かしイニシアチブを取り続ける」と語る。
AIデータセンターでは、多数のGPUによる処理を支えるために短時間で大量の電力が消費されている。そのため、電力のピークが急に高くなり、電圧も不安定になりやすい。このことを踏まえて、安定的で信頼性の高い電源の確保がAIデータセンターでは必要とされている。
この課題を解決する手段として分散型電源方式が注目を集めている。同方式はサーバラックごとにバックアップ電池であるBBU(Battery Backup Unit)を配置することで、ピーク時の電力不足を補うことが可能になり、電圧の安定化につなげることができる。そのため、大手クラウドベンダーなどのハイパースケーラーを中心にBBUの採用が進んでいる。
パナソニック エナジーが展開するBBUは、円筒形LIB(リチウムイオン電池)を組み込んだ複数の蓄電モジュールとそれを格納するシェルフで構成されている。停電時に活用できるバックアップ機能や電力消費のピーク時に不足分を補うピークシェーブ機能を搭載し、データセンターの効率的な電力運用と安定稼働に貢献できる。只信氏は「われわれのBBUそのものの発熱は、空冷で対応できるレベルに抑えており、次世代のモデルに関しても水冷機構は設けていない。多様で複雑な水冷機構を付けなくても済むように製品を設計して世の中に提供できている」と説明する。
データセンター向け蓄電システム事業は2028年度に2025年比で3倍となる売上高約1兆円規模を目指す。高成長を維持するために2026〜2028年の3年間で総額3500億円を投資する。ROIC(投下資本利益率)はインフラ投資を盛り込みつつ20%以上の確保を目標としている。
注目が集まるBBUにおけるパナソニック エナジーの優位性について、只信氏は「電池セルから電源、設置システムまでを1社で総合ソリューションとして一気通貫で効率的に作り込めるユニークなポジションにある。特に絶対的な安全が必要なデータセンターにおいて、電池セル品質だけでなくモジュール化や事故を起こさない機構設計など、最高水準の安全基準を自社で完結している。顧客との深いパートナーシップを軸に、源流から最後まで総合的に提案/解決できる事業モデルと開発能力、そして確実な生産体制が強みである」と強調する。
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