パナソニック コネクトでは、2026年4月にそれまでアビオニクス事業を率いていたKen Sain(ケン・セイン)氏が新CEOに就任した。報道陣の合同取材に応じたセイン氏の考えを紹介する。
パナソニック ホールディングスは2032年度(2033年3月期)までを見据えた成長戦略の1つとして、既に導入しているハードウェアの優位性を生かし、Machines In the Field(顧客現場で稼働している製品、MIF)を軸に、サービス提供の幅を広げるソリューション領域強化の方向性を打ち出している。そのソリューション強化の中核を握る事業会社の1つが、パナソニック コネクトである。
パナソニック コネクトでは、2026年4月にそれまでアビオニクス事業を率いていたKen Sain(ケン・セイン)氏が新CEOに就任した。新CEOの下、パナソニック コネクトはどのような形で成長し、ソリューション領域をけん引するのだろうか。報道陣の合同取材に応じたセイン氏の考えや方針を紹介する。
ケン・セイン氏は、戦略コンサルティングファームであるATカーニーに入社後、2005年にボーイングに移り、その後、ジェッペセンのCEOを経験するなど、一貫して航空関連の事業に関わってきた。そして、2019年にパナソニック アビオニクスにCEOとして入社し、今回パナソニック コネクトのCEOを兼任する形となった。自身のキャリアの中で得たものについて、セイン氏は「戦略が方向性を決定するが、成果を生むのは現場での実行だ」という。
自身が新たにパナソニック コネクト全体のCEOに選ばれた理由について、パナソニック アビオニクスでの危機を乗り越えた実績を買われたのではないかと捉えているという。
「航空業界にとって、コロナ禍は非常に大きな打撃となった。ただ、困難な状況であるほど、企業の本質的な価値が現れると考えている。その時期に今後どのような価値を生み出す企業になるべきかを見直した。その中で、より顧客の声に耳を傾け、一緒に課題を解決することに取り組むようにした。コロナ禍前は、単なるサプライヤーとして見られていたが、今では課題を解決し航空会社のサービスを向上させるパートナーとして姿を変えることができた」(セイン氏)
その中で、航空機の乗客の体験向上、ライフサイクルコストの低減、サステナビリティ価値などを含めて、変革の柱として形にしたのが、Astrova(アストローバ)機内エンターテインメント(IFE)ソリューションだ。Astrovaは、4K OLEDディスプレイ、Bluetooth、高品質なオーディオ、拡張性と柔軟性を提供するモジュラー設計などを実現した。OLED採用などを含め、航空機でシビアに問われる軽量化を実現した他、モジュラー設計により需要に応じて、搭載したまま機器の入れ替えを行うことができ、ライフサイクルを伸ばせたという。
セイン氏は「Astrovaはサステナビリティに優れたプラットフォームであるだけでなく、航空会社がデジタルサービスで顧客とつながる基盤にもできた。そのため、40以上の航空会社から採用され、パナソニック アビオニクスとして最速で採用が進んだシステムとなった。この成功を生んだのが、顧客中心の考え方だ。どんなテクノロジーを売りたいかではなく、航空会社にとって良いシステムとはどういうシステムで、乗客にとって良いシステムとはどういうシステムかを、双方の視点で深く掘り下げて理解したことで、それぞれにとって大きな価値を生み出すことができた」と実績について語る。
こうした顧客中心の考え方を、セイン氏はパナソニック コネクト全体に広げていくことで各事業の価値を高めていく方針を示す。3つの優先事項として「顧客起点の価値創造」「人材の可能性を最大限引き出す」「顧客、パートナーとの共創」を掲げ、これらとパナソニック コネクトの各事業が持つ事業ドメインの知見を組み合わせて課題解決や価値創出に取り組む。
「あらゆる現場の変革を支援するパートナーになっていく。現場オペレーションに入り込み、業務フローや制約、機会を一緒に理解し、課題を解決したり、価値を最大化したりする」とセイン氏は考えを述べる。
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