帰納型の「情報の流れ分析法」と演繹型の「ワークデザイン法」:現場改善を定量化する分析手法とは(21)(1/4 ページ)

工場の現場改善を定量化する科学的アプローチを可能にする手法を学習する本連載。これまで2回にわたって紹介してきた事務的業務の分析手法のシリーズの最終回として、今回は「情報の流れ分析法」について説明する。また、帰納型分析法の「情報の流れ分析法」に対して、演繹型分析法となる「ワークデザイン法」も取り上げる。

» 2026年09月25日 08時00分 公開

 事務的業務の効率向上を目的として、その分析手法について着目し、中でも頻繁に活用される「職務分析法」「生活分析法」「自己申告法」「帳票分析法」について取り上げてきました。

 今回は、これらに続くシリーズの最終回として「情報の流れ分析法」について説明します。また、帰納型分析法の「情報の流れ分析法」に対して、演繹型分析法となる「ワークデザイン法」も紹介します。

⇒連載「現場改善を定量化する分析手法とは」バックナンバー

1.情報の流れ分析の目的

 「情報の流れ分析(Information Flow Analysis)」は、間接業務の情報処理作業に必要なインプット情報とアウトプット情報の分析手法です。用途としては間接業務の効率向上、データベースの構築、情報伝達の所要リードタイムの短縮、業務の省略/統合を目指した改善などです。

 情報の流れ分析では、例えば組織内で「情報がどこの部門で作られ」「どこをどのように移動して」「どこでどのような意思決定に活用され」「誰が保存しているのか」「どこで停滞ロスが起きているか」などを可視化できます。ビジネスプロセスの最適化やシステム設計などに欠かせない分析手法の一つです。目的としては、以下の3点が挙げられます。

  1. 誰かの承認待ちによる停滞、1つの情報を複数回入力するといった停滞や後戻りによる効率低下を招いている箇所を特定して、プロセスの効率化を図る
  2. 最新のデータやマスターの所在を明確にすることで、情報の整合性を確保する
  3. 情報が外部に漏れる仕組みになっていないかなど、情報のセキュリティ強度やコンプライアンスの確認を行う

2.情報の流れ分析の手順

 情報の流れ分析を行う際には、「情報も物も工場内の流れと同じである」ということが前提となります。具体的には、次のステップを経て情報は流れます。

 例えば、どのような目的で誰が「情報を発生させているか」、誰がどこの部門へどのようなルールに従って「情報を伝達しているか」、誰がどのような判断によって「情報の加工を行っているか」、誰がどこに何カ月「情報を保管しているか」、誰がどのようなルールや意思決定に基づいて「情報の活用をしているか」などの経路をたどりますが、これらの一連の流れの中で、無駄作業や伝達の遅れ、情報の重複、属人化などが発生してしまいます。

 このような情報の流れを分析して、可視化していくことが情報の流れ分析です。分析のステップとしては、一般的に以下(表1)の手順で行います。

表1 表1 情報の流れ分析の手順[クリックで拡大]
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