中堅製造業に効果的なグローバルERPの活用方法と、失敗しない導入方法を解説する本連載。前回から3回にわたり、ERP導入を成功に導くための重要なポイントについて、プロジェクトのステップごとに解説しています。今回は、導入ベンダーを選定した後に、ERPを実際に導入する工程について説明します。
中堅製造業にとってもグローバル化が求められる中、そのIT基盤となるERPについてもグローバル仕様の導入が必要となります。大きな投資が必要となるERPですが、本連載では、その意義やメリット、失敗しない導入の進め方などを解説しています。第4回からは、3回にわたって、ERP導入を成功に導くための重要なポイントを説明していますが、今回説明するのは、導入ベンダーを選定した後に、ERPを実際に導入する工程です。(図1)
「ERPの導入」と、「企業の要求に従ってオーダーメイドでシステムを開発する手法(スクラッチ開発)」とでは、プロジェクトの進め方が異なります。また、プロジェクトの進め方は、「導入方法論」や「プロジェクトアプローチ」と呼ばれ、ERP製品や導入ベンダーごとにも違います。通常は、選定した導入ベンダーの提案する進め方に従って、プロジェクトを推進することになります。(一般的な進め方は図2参照)
ERP導入はスクラッチ開発と比較すると、実施すべき作業の内容やタイミング、ユーザー企業側の要員数なども異なり、ユーザー企業側、特に実際にシステムを利用する部門の負荷が高くなる傾向があります。初期段階からユーザー部門の積極的な関与が求められるため、プロジェクト関係者がERP導入の進め方について正しく理解しておくことが必要です。次ページに、スクラッチ開発とERPのようなパッケージ導入との主な違いや重要なポイントを解説します。
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