日立製作所は、投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2025」において、コネクティブインダストリーズ(CI)セクターが2025〜2027年度の新規中期経営計画「Inspire 2027」で取り組む事業戦略について説明した。
日立製作所(以下、日立)は2025年6月11日、東京都内とオンラインで開催した投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2025」において、コネクティブインダストリーズ(CI)セクターが2025〜2027年度の新規中期経営計画「Inspire 2027」で取り組む事業戦略について説明した。モビリティセクターが鉄道向けで成果を上げているデジタルアセットマネジメントプラットフォーム「HMAX」を産業向けに展開して売上高と利益率を高めつつ、事業ポートフォリオ改革の推進によってシナジー創出可能なコア事業の強化を図る方針だ。
日立は新たに代表執行役 執行役社長 兼 CEOに就任した徳(正しい漢字は右側の心の上側に「一」が入る)永俊昭氏の下で新たな中計であるInspire 2027を策定した。Inspire 2027では、成長と収益性向上のエンジンに位置付けるデジタルソリューション群の「Lumada」について、日立のドメインナレッジで強化したAI(人工知能)により「Lumada 3.0」に進化させていくことを打ち出している。Lumada事業の売上高比率/Adjusted EBITA率は、前中計である「2024中計」で達成した31%/15%から、Inspire 2027で50%/18%に高め、さらには新たな経営の長期目標として設定したLumada事業の売上高比率80%/Adjusted EBITA率20%を意味する「LUMADA 80-20」を目指していくことになる。
CIセクターもInspire 2027では、Lumada事業の売上高比率を高めることで、Adjusted EBITA率を伸ばしていくことを目標としている。2024〜2027年度の年平均売上高成長率は6〜8%で、利益指標であるAdjusted EBITA率は2024年度の10.5%から2027年度に13%超に高め、Lumada事業の売上高比率も2024年度の34%から2027年度に約45%まで伸ばすことを目指す。
日立 代表執行役 執行役副社長 社長補佐 コネクティブインダストリーズ事業責任者のブリス・コッホ氏は「これまでCIセクターを率いてきた青木(優和)氏、阿部(淳)氏の下でプロダクト×OT×ITによるトータルシームレスソリューション(TSS)を推進し、2024中計までにさまざまな成果を得てきた」と語る。例えば、コネクテッドプロダクトの台数は2022年度の120万台から2024年度には250万台と倍増しており、リカーリング売り上げ収益も2021年度の7000億円から2024年度には1兆円まで拡大している。グローバル展開も進捗し、2021〜2024年度の売上高成長率が北米で35%、欧州で66%を記録している。
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